キャリア

2025.08.24 08:00

週6日・朝9時から夜9時までの『996』勤務──AI時代に通用しない理由

Malte Mueller / Getty Images

未来を、古いタイムカードに押しこむことはできない

では、996は実際のところ、何を言わんとしているのか? それは、仕事は「会社にいる時間」によって定義される。やる気は労働時間で示される。パフォーマンスは、選ばれるものではなく、強制されるものといったことだ。そしてそれは、何よりも大きな間違いだ。

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成果を導く目的で勤務時間を強制したら、間違ったものを物差しにすることになるし、間違ったメッセージを伝えることになる。パンデミックをくぐり抜け、時間は有限だと学んだZ世代とミレニアル世代の労働者が相手なら、それはなおさらだ。働く1日は、どの1日をとっても、2度と戻ってこない。その1日が有意義ではないなら、この世代の労働者は会社にとどまらないだろう。

古い社会契約では、仕事が終わったところから生活が始まると想定されていた。新しい社会契約では、人がバランスではなく統合を求めていることが認識されている。求められているのはコントロールだ。人は、自分の価値観が仕事に反映されることを望んでいるのであって、食い尽くされることは望んでいない。

ルーチンワークを取り除くAIと996勤務体制

ここに皮肉がある。一部の企業は、AIレースの名のもとにコントロールを強化している。しかしその一方で、AIは、ルーチンワークを取り除き、人間が創造やレジリエンスやイノベーションに、つまりは自動化では再現できないものに集中することを可能にしている。ただし、そうしたことが可能になるのは、リーダーがそれに応じた設計をしている時だけだ。そして、996勤務体制はそうではない。

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今が1996年であるかのように働いていては、未来を勝ち取ることはできない。勝ち取るためには、「世界は変わったのだ」と理解する組織を構築する必要がある。そして、未来を築く人たちが、給料や業績評価以上のものを求めていることも理解しなければならない。求められているのは「理由」なのだ。

優秀な人たちが働いている理由は、働かなくてはいけないからではないし、そうしろと言われたからでもないし、働きぶりを測られているからでもない。そうではなく、働きたいから――つまり、あなたの会社で働くことが、自分の人生の目的を達成するための手段になるからなのだ。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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