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2025.08.26 10:15

「事業共創」は新たなフェーズへ、中小企業も海外展開を視野に:Xtrepreneur AWARD

Forbes JAPANでは2023年から、事業共創に挑むプレイヤーに光を当てる「クロストレプレナーアワード」を開催している。共創により、一社では成しえない価値の創出に挑む──。そんな思いを体現しようとするクロストレプレナーを全国から募り、5つのプロジェクトを表彰した。

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8月25日発売号のForbes JAPANでは、5つのプロジェクトを紹介するとともに、事業共創の最新動向を解説した。


Forbes JAPANでは、優れた事業共創プロジェクトに挑むプレイヤーを表彰する「Xtrepreneur AWARD(クロストレプレナーアワード)」を2023年から開催している。クロストレプレナーとは、起業家(アントレプレナー)や企業内起業家(イントレプレナー)とは異なり、共創によって新たな価値を生み出そうとする人たちのことを指す。新規ビジネスを創出する営みを表す言葉としてよく知られているオープンイノベーション(OI)は、企業が不足するリソースをスタートアップなど社外の技術やアセットで補うことでイノベーションを創出しようとするもの。一方、事業共創はより広義で、それぞれの企業が積み重ねてきた価値をかけ合わせ、一社が生み出すよりも何倍も大きなインパクトを生み出す。昨今、企業の垣根を越えてイノベーションを起こし、複雑化する社会課題に取り組む事業共創の重要性が高まっている。

研究人材を呼び込み

そうしたなかで25年は、地殻変動が起きている。ドナルド・トランプ政権は、政府支出を減らす方針を掲げ、研究機関に対しても予算や人員の削減に動いている。具体的には、ハーバード大学への6000万ドルの連邦補助金を打ち切ったほか、米航空宇宙局(NASA)では約4000人が同政権の早期退職勧奨に応じるかたちで退職した。米国外へ流出する研究者の人材獲得競争は激化しており、日本政府は25年6月に、海外の優秀な研究者を日本の大学や研究機関に呼び込むための「J-RISE Initiative」を発表。総額1000億円の予算を用意し、世界トップレベルの研究環境整備を進めるとともに、日本の生活環境や文化的魅力の発信も行っていく。

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経産省イノベーション・環境局長の菊川人吾はこう話す。「そういった研究者たちに経済産業省所管の産業技術総合研究所で研究員の立場を用意し、日本と米国で共同研究するようなことがJ-RISEではできる。日本人が海外に出ていくことも重要だが、海外の優秀な研究者が日本を招き、人材を循環させることが、オープンイノベーションを推進する意味でも重要だ」。海外研究者が日本に流入するようになり、彼らの頭脳が日本の大企業がもつレガシーとかけ合わさることで、新たな価値の創出が期待できるのではないだろうか。

日本国内では、下の年表でも紹介しているように、これまでも民間企業による事業共創プログラムや場づくりが進み、国も税制面などから共創の土壌をきづいてきた。スタートアップ企業に投資を行い、新規事業創出や新技術の獲得を目指すコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)の動きも活発で、CVCファンドの投資額はここ10年で大きく増加している。

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文=露原直人

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