2番目の海底掘削のモラトリアムについては37カ国が支持した。このイシューについては、アメリカのトランプ大統領が自国の排他的経済水域外でも掘削すると宣言しているが、それとは真逆の姿勢で、フランスのマクロン大統領は自国のEEZ(排他的経済水域)内ですら海底掘削が環境に及ぼす影響が明確にされない限りモラトリアムを貫くべきだと、開会式では語気を強めて演説していた。
まさに両極端の対立構造となっているのだが、日本はその中間というべきか、モラトリアムは支持せず、自国のEEZ内で掘削するとしている。現在、国内では南鳥島沖にレアアースが大量に発見されており、日本政府は今年中にも世界で初めてこの地で掘削を行うと発表している。
3番目のWTOの不必要な漁業補助金の廃止は、IUU(違法・無報告・無規制)漁業の撲滅に直結する。現在、日本を含む102カ国が批准しているが、発行には111カ国の批准が必要だ。
日本は世界屈指の漁業補助金支給大国とされており、改正漁業法と流通適正化法の施行が評価される一方、今後は特に燃料補助金の削減と、資源評価などの科学の強化やポジティブな公共投資への置き換えが求められている。
4番目のプラスチック削減条約については、プラスチックの生産削減、懸念される化学物質の排除、持続可能なデザインの促進、開発途上国支援を盛り込んだ法的拘束力のあるグローバルなプラスチック条約の制定が強く求められ、今回の「ニース宣言」に95カ国が署名。決議は持ち越されたが、前述のとおり、ジュネーブで開催された国連環境会議でも条約締結は失敗に終わったところだ。
5番目のMPA・海洋保護区については、20カ国以上が新たな海洋保護区域の設立を約束し、そのうちフランス領ポリネシアに世界最大級の保護区域が設定された。また、2030年までに世界の海洋保護区域を8パーセントから30パーセントに拡大する「30x30(サーティバイサーティ)海洋行動計画」への支援を再確認した。日本もこれには2021年G7サミットにて合意している。
そのほか、ビジネスセクターの貢献として25 カ国、総収益 6000 億米ドル以上の企業が、海洋環境改善を事業戦略に取り入れ、海洋への影響を報告し、有益な投資を行うことや海洋に依存する地域社会の支援を約束した。影響力の点でもこのような企業の公約は力強い。同時にこれらの約束が見せかけだけの措置にならないよう見守るのは、私たち消費者の役割だ。


