カナダの主要航空会社エア・カナダは、客室乗務員1万人が政府の職場復帰命令を拒否してストライキを継続したことを受け、全便の運航停止と業績見通しの取り下げを余儀なくされた。影響を受けた乗客は50万人に上るとされる。
ストを続ける1万人のエア・カナダ客室乗務員は米国時間8月17日、政府による職場復帰命令を拒否。カナダ労務関係委員会(CIRB)はこの行為を「違法」と批判した。エア・カナダは18日、第3四半期と通年の業績見通しを取り下げ、「当面の間」全便を欠航すると表明した。
英国の航空業界データ分析会社シリウムによると、エア・カナダは過去1週間で国内線1153便、国際線1165便の計2300便以上の運航を取りやめている。エア・カナダは、欠航の影響を受けた乗客は50万人に上ると推定。フライト追跡サービス「FlightAware」によれば、18日正午時点で、同日運航予定だった550便以上が欠航となった。
エア・カナダでは、客室乗務員1万人が加入する労働組合「カナダ公共労働組合(CUPE)」との労働協約が3月31日に失効。8カ月にわたる団体交渉が行き詰まったことにより、客室乗務員はカナダ東部時間16日午前1時(日本時間同日午後2時)ごろストライキに突入した。カナダ政府は12時間以内に介入し、CIRBに対し強制仲裁を要求。CIRBは17日、客室乗務員に職場復帰を命じたが、労組側はこれを拒否した。エア・カナダは同日の運航再開を断念し、18日の全便を欠航とした。
収拾の見通しは
事態収拾の目途はたっていない。エア・カナダは今回のストライキを違法と非難しているが、客室乗務員側は徹底抗戦の構えを見せている。CUPEのマーク・ハンコック全国会長はトロント・ピアソン国際空港前で記者団に「組合員は職場に戻らない」と断言。同空港では18日、客室乗務員が「私を責めるな、エア・カナダを責めろ」と唱和する様子がみられた。
乗客への対応は
エア・カナダは18日、ウェブサイトに掲載した通達文で、「CUPEの行動により、エア・カナダおよびエア・カナダ・ルージュの全便がキャンセルされています」と説明。「フライトは運航していないため、空港に向かわないでください」と呼び掛けた。8月22日までの搭乗券を持つ乗客は、追加費用なしで8月23日~9月30日出発の便に振り替えられる。



