ストライキの理由
主な争点は、客室乗務員の賃金体系だ。これは長年にわたり、世界中の客室乗務員の不満の種となってきた。エア・カナダを含む多くの航空会社は客室乗務員に対し、航空機のドアが閉まってから開くまでの飛行時間に対してのみ対価を支払っており、搭乗時や降機後に生じる乗客対応やギャレー(機内のキッチン設備)確認、安全に関するデモンストレーションといった業務には賃金を支払っていない。米国の客室乗務員協会(AFA)のサラ・ネルソン会長は「現在支払われていない搭乗などの時間に対する賃金支払いを含む公正な合意が必要だ」と指摘。20社5万人以上の客室乗務員を代表するAFAは、エア・カナダの客室乗務員を支持し、同社は「航空の最前線に立つ労働者に対して貧困賃金を支払っており、この状況は変わらなければならない」と断じた。
カナダのマーク・カーニー首相は18日、エア・カナダと労組の交渉が行き詰まったことに「失望」したと述べ、「数十万人のカナダ人や同国への訪問者がこの行動による混乱の影響を受けている」と指摘。さらに「客室乗務員がカナダ人とその家族の安全を守る上で果たす重要な役割」を強調し、「客室乗務員が公平な報酬を受けることが重要だ」と述べた。
搭乗時間への対価を支払う航空会社は
米国では、一部の主要米国航空会社が最近になって、客室乗務員に対して搭乗時間への対価を支払い始めた。デルタ航空は2022年、労組結成を阻止する措置として、大手航空会社として初めて搭乗時間に対する賃金支払いを開始(同社は客室乗務員が組合に加入していない唯一の米大手航空会社だ)。対象業務に対し、通常の時給の50%を支払っている。
アメリカン航空とアラスカ航空も今年、長期の労働協約交渉を経て、搭乗時間に時給の50%を支払うことに合意した。ユナイテッド航空は暫定合意に搭乗時間賃金を盛り込んだが、組合員の批准を得られず、今のところ未導入となっている。サウスウエスト航空は搭乗時間に賃金を支払っていない。
米労働統計局のデータによれば、2023年の米国客室乗務員の賃金中央値は6万7130ドル(約992万円)だった。


