キャリア

2025.08.22 10:00

職場で「頼られるのに報われない」 優秀な人ほど自ら昇進を遠ざける理由

Shutterstock.com

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「チームの皆から頼られる存在」になるのは、はじめのうちは気分がいい。問題を解決してくれる人として信頼され、プロジェクトがうまく行かないときや、土壇場でやるべきタスクが生じたときに、誰もが助けを乞うてくる。受信ボックスは、頼み事が書かれたメールであふれ、カレンダーは予定でぎっしり埋まり、会議では上司から誉め言葉をかけられる。

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ところが時間が経つにつれ、注目を浴びているという高揚感が薄れ、代わりに疲労や憤りが押し寄せてくる。そして、頼られてはいても、必ずしも評価されているわけではないという感情に、心がかき乱されるようになる。

では、職場に欠かせない存在でいることが、強みでなく、逆に負担になり始めるのはいつなのだろうか。そして、それよりも重要な疑問がある──そうした流れを、自分の評判を傷つけずに断ち切るためにはどうすればいいのだろうか。

評価が報酬に結びつかなくなったとき

優秀な人が陥りがちな罠。それは、人よりも優れた成果を常に上げていれば、必然的に出世できるはずだと信じ込むことだ。しかし職場では、努力した分だけ報われるとは必ずしもいえない。「頼られる」存在であることは、危険なイメージを生み出す場合がある。つまり、船の舵を取るリーダーよりも、エンジンを回し続ける役割の方が向いているとみなされてしまうのだ。

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リーダーとして会社を率いる能力を持つ人材とはとらえてもらえず、むしろ、現在の職務での仕事ぶりがあまりにも優秀なので、昇進させるわけにはいかないと思われてしまう可能性がある。代わりがきかない人材だと考えた上司が、昇進を阻止するかもしれない。それどころか、どんなときでも対応可能なので、線引きがあいまいになり、同僚から持ち込まれる緊急性の高い仕事をこなすことが日常業務になってしまうおそれがある。

やるべきことが増え、負担が増す一方なのに、肩書や給与はまだ足踏み状態で、昇進の機会も得られないのであれば、それは危険信号だ。有能であることは、キャリアアップの足がかりであるべきであり、足かせであってはならない。

「助けること」と「搾取されること」の違い

チームの一員として協力することと、他の人から利用されることは紙一重だ。高い業績を上げる優秀な人材は、金銭的な対価や正式な評価なしに、余分な仕事を与えられることが多い。なぜか?──そういう人は、やるべきことをしっかりこなすし、たいていはあまり文句を言わないからだ。

困ったことに、優秀な人は滅多に反発しない。人に頼られていることを誇りにしているので、負担が増してもそれを受け入れ、一時的なことにすぎないとか、いずれは努力が認められ報われる日が来る、と思っている。しかし、過重労働が常態化すると、危険な前例をつくることになる。与えられているのはチャンスではなく、単なる余分な仕事なのだ。

職場でのパターンに注意を払おう。仕事のできない同僚がやりきれなかった分を、絶えずカバーしていないだろうか。重要度の高いプロジェクトがいつも自分に回ってくるのは、ほかの人が能力不足とみなされているからではないのか。心当たりがあるなら、そうした傾向を見直すべき時だ。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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