外国人が米国旅行を避ける理由
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が6月に発表した184カ国の観光の経済的影響に関する分析結果によると、2025年に外国人観光客の消費額が減少すると予測されるのは米国のみだった。経済損失額は、290億ドル(約4兆2600億円)に上るとも試算されている。複数の調査によると、その根本原因は、トランプ大統領の関税、渡航制限、扇動的な言動、そして厳しい移民政策が組み合わさったもので、これらすべてが観光客を遠ざける要因となっている。
WTTCのジュリア・シンプソン社長兼CEOは「他の国々が歓迎の意を示している中、米政府は『閉店中』の看板を掲げている」と指摘。WTTCの調査結果を「米政府への警鐘」とし、「海外旅行者の信頼を回復するための緊急措置がなければ、米国内での国際観光客消費がパンデミック前の水準に戻るには数年かかる可能性がある」とした。
ツーリズム・エコノミクスの産業研究ディレクター、アラン・ライアンは先月フォーブスに対し、「今年が半分過ぎた段階でこうした影響が見られることを考えると、最も強い逆風がいつ吹くかは不明だが、逆風はしばらく続くと思う」とし、「この状況がしばらく続き、影響の一部は現政権の終わりまで持続すると想定している」と述べた。
米観光にさらなる打撃も
トランプの歳出法案には、米国の観光業界にさらなる打撃を与える内容が含まれている。上院のテッド・クルーズ議員(共和党・テキサス州選出)が率いる商業科学運輸委員会は、官民連携の観光マーケティング組織「ブランドUSA」の予算を1億ドル(約150億円)から2000万ドル(約29億円)に削減した。ハンセンは「これは議会が犯したもう一つの過ちだ」と述べ、トランプ政権が2026年度予算では同組織への全額拠出を推奨していたことを指摘。「現在の大きな問題として、海外旅行者の間での誤った認識があるが、議会は米国旅行に対する認識を形成し、歓迎のメッセージを送る役割を担う唯一の組織に対する予算を削減した」と語った。


