リーダーシップ

2025.08.19 14:00

リーダーこそ必須の「副業マインド」──変化に強いキャリアを築く武器

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起業家精神と従来のリーダーシップの境界線はますます曖昧になってきている。豪ジェームズ・クック大学の研究者が2024年に行った調査では、パンデミック後のVUCA(揮発性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代の職場環境で活躍するためには、管理職も起業家も似たようなコア能力を必要としていることが示された。それは自己効力感、アライアンス・マネジメント(提携関係を持続的に成功へ導く管理プロセス)、マーケティング能力を含むダイナミック・ケイパビリティ(環境の変化に適応して変革していく能力)だ。

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このようなシフトを体現するプロフェッショナルは業種を問わず増えている。融資マーケットプレイスLendingTreeの年次調査によると、会社勤めと起業家的な仕事(すなわち副業)の両方を行っている人の割合は2025年には38%となっており、2020年の13%からは増加、2022年の44%からわずかに減少している。

多くのプロフェッショナルが追加の収入を求めて副業を行うが、そのメリットははるかに大きい。副業には特別なマインドセットが必要であり、副業を通じて培うことができる。そして会社勤めに大きな付加価値を与え、長期的なキャリアの安定を支えることができるスキルセットを構築する。というのも、このような価値の高いダイナミック・ケイパビリティ(副業のマインドセット)こそが、急速な変化、技術革新、激動の時代に企業が競争力を維持し、変化に対応し続けるために必要なものだからだ。

副業マインドがこれまで以上に重要な理由

現在、経済の不確実性と不安定性が雇用市場に影を落としているため、すべてのプロフェッショナルにはさらなる適応力や機転、独創性が求められている。しかもリーダーは、起業家的な敏捷性も磨かなければならない。優れた結果を出すことは必要だが、それだけではもはや十分ではない。

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人工知能(AI)や無駄のないチームによって組織図が縮小していく中、リーダーは人間特有の才能と能力に根ざした付加価値を創造しなければならない。新進のリーダーにとっても既存のリーダーにとっても、キャリアを長続きさせるには同じ組織内で「出世する」という夢にしがみつくのではなく、自分のキャリアの選択肢をどんどん増やしていく必要がある。

課題解決能力や自己決定力、計算されたリスクテイク、市場主導型の思考、デジタル技術を使いこなす能力などのスキルを包含する副業マインドで対応していくことができる。

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翻訳=溝口慈子

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