2025年8月25日発売のForbes JAPAN10月号は「30 UNDER 30」特集。30歳未満の次世代をけん引する若い才能に光を当てるアワードで『Forbes JAPAN』では18年より開催し、7年間で総計300人を選出してきた。今年も4つのカテゴリから30人の受賞者を選出。
BUSINESS&FINANCE&IMPACT&LOCAL部門の受賞者のひとり、Grand Central 代表取締役CEOの北口拓実は、キーエンスで磨いた営業力を武器に、25歳で起業。
コンサルティングと営業代行(BPO)をかけ合わせた独自のモデルで事業を拡大し、4期目で売上高20億円超を見込む。北口が取り組むのは、世界の「営業現場」の変革だ。
楽天グループの三木谷浩史、ロッテホールディングスの玉塚元一、ビジョナルの南壮一郎──。北口拓実が創業したグランドセントラルには、出資者として錚々たる経営者たちが名を連ねる。起業家としてはまだ実績のなかった若者にとっては、接点をもつことすら難しかったはずの相手たちだが、どうやってぶつかっていったのか。
「三木谷さんにはご本人にお会いする機会をいただいた際に、熱烈にプレゼンを実施して、ご出資をお願いしました。最後は二子玉川にてふたりでランチ。『三木谷さんを越えます』とお話ししたら、『若手が頑張らないと日本は良くならない』と個人としてのご出資にオーケーをいただきました」
2024年4月には、玉塚が社外取締役として参画。さらに南は「年齢に似合わぬ落ち着きと自信、そして壮大な夢を語る確かな眼差しと姿勢に、強い印象を受けた」と話し、「“経済社会に灯火”をもたらす、次世代を象徴するリーダー」と評している。
次々と大物の心を動かしたのは偶然ではない。グランドセントラルは、営業に特化したコンサルティング&営業代行(BPOサービス)を提供するスタートアップ。北口自身も営業のエキスパートであり、自分を売り込むのは得意中の得意だった。
セールスを学んだのは、キーエンスだ。北口の実家は東大阪の町工場。修業のためにキーエンスに入社したが、鼻息の荒い同期と接して北口の野心に火がついた。1年目は同期で売り上げナンバーワンに。2年目は配属先の事業部で、新人ベテラン含めてトップを取った。
「営業は外的環境に左右されるので、結果は運の要素もあります。ただ、ボリューム──人より電話して、人より訪問する──は1位でいようと決めていました。負けず嫌いでメンタルは強い。目標達成への胆力は負けなかったのかなと」




