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2025.08.14 15:45

リスクの遺伝子:なぜ日本とアメリカは異なる思考を持つのか

もし米国が遺伝的にリスク志向だとするなら、制度面でもその特性を伸ばす「肥沃な土壌」が整っています。実際、新規ビジネスの約31%は移民によって立ち上げられアメリカのユニコーン企業の過半数には少なくとも1人の移民創業者がいます。日本に押し寄せる移民の波は、リスク許容というDNAを少しずつ列島に染み込ませるかもしれません。移民が増え続ければ、その小さなしずくが数十年をかけて目に見える変化を生む可能性があります。

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ここから興味深い可能性が浮かび上がります。移民の増加が日本全体のリスクへの姿勢を徐々に変化させることはあり得るのでしょうか? それによって、より活気に満ちた社会や起業家精神の高まり、不確実性を避けるのではなく受け入れる文化が育まれることにつながるのでしょうか?

その可能性は十分に考えられます。もし移民がリスク許容度の高い人々の自己選抜によって成り立っており、その特性が部分的にでも遺伝するのであれば、アメリカでそうなったように、日本の「国民的DNA」も徐々に変化していくかもしれません。一朝一夕に実現することではありませんし、文化的な慣性は根強いですが、日本はもはや多くの人が考えるほど閉鎖的な国ではなくなりつつあります。

もちろん、活気の向上は同時に不安定さをもたらす可能性もあります。日本の社会的結束や低い犯罪率は、その均質性と集団志向の文化によるところが大きいのです。江戸時代は、そのことを証明しているとも言えるでしょう。今後の課題は、イノベーションと調和、変革と秩序をどのように両立させるかという点にあるでしょう。

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しかし、忘れてはならないのは、移民は単なる経済的な手段ではないということです。それは心理的な影響力を持つ可能性もあります。そして長い時間をかけて、日本がリスクや機会、そして未来そのものを捉える方法を変えていくかもしれません。

日本は少子高齢化や労働力不足という問題に直面していますが、新たな「DNA」の流入によって、今後数十年の間に劇的な変化がもたらされる可能性があるのではないでしょうか。

連載:VCのインサイト
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文=James Riney

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