欧州

2025.08.12 09:00

ウクライナの優秀なドローン「リューティー」、ロシアへの戦略爆撃で戦果重ねる

ウクライナの徘徊型兵器「AN-196リューティー」とみられる無人機が飛行する様子=X(旧ツイッター)で共有された動画より

これまでの戦果は

リューティーがどのくらい広く使われているのかは依然として不明である。これは、ロシアが自国領内へのドローン攻撃の詳細を公表していないせいでもある。それでも、リューティーはこれまで数多くの攻撃と関連づけられてきた。リューティーによる最初期の攻撃とみられる一例は、2024年1月18日にあったサンクトペテルブルクの石油貯蔵施設に対する攻撃である。使用されたドローンは特定されていないものの、攻撃の距離(約900km)やタイミングからリューティーだった可能性が高い。

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同年3月13日には、ロシア西部リャザニ州のリャザニ製油所がリューティーの攻撃を受け、施設で火災が発生した。2024年6月にあったロシア南部・北オセチアのモズドク空軍基地に対する攻撃でもリューティーが使われたと伝えられる。この基地はロシア空軍の爆撃機「Tu-22M3」や迎撃機「MiG-31」の拠点で、ウクライナからはおよそ720km離れている。

2025年に入ると、改良型のリューティーがロシア領内深くの目標に対する攻撃でより大きな役割を担い始めた。リューティーは3月13日、ウクライナからおよそ600km離れたロシア南部サラトフ州にある主要なガスパイプライン制御施設に対する攻撃に成功し、ロシアのエネルギー部門に混乱を引き起こした。4月には、国境から700mほど離れたロシア西部イバノボ州シューヤにあるロシア軍112親衛ミサイル旅団の基地を連続攻撃し、指揮施設や兵舎に損害を与えている。

ロシア占領下のウクライナ南部セバストポリに拠点を置くメディア「Exilenova+」のテレグラム投稿によると、リューティーはここ数週間も複数の攻撃に関与している。7月1日にはリューティー2機がロシア領内に1400kmほど侵入し、中部のウドムルト共和国イジェフスクにあるクーポル電気機械工場を攻撃した。この企業は防空システム「トール-M」や徘徊型兵器「ガルピヤ」の主要な生産業者として知られる。攻撃によって火災が発生し、死傷者も出たほか、広範な警戒態勢が敷かれたと報じられている。

7月27日に投稿された動画には、ロシア西部レニングラード州上空を飛行するドローンが映っているが、目標に命中したのかは定かでない。7月31日には、リューティーがロシア中部ペンザ州ペンザ上空を低空飛行し、ロシア軍向けに電子機器を製造する施設に突っ込む様子を捉えた動画が共有された。8月にはロシア南部クラスノダール地方ソチの空港の燃料貯蔵施設にリューティーに自爆攻撃を行うところも撮影されている

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翻訳・編集=江戸伸禎

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