同団体で海洋プラスチック問題を研究するエリン・マーフィー博士は、海洋生物はレジ袋に絡まったり、摂取したりすることがあるため、このような袋は環境にとって特に危険だと指摘する。筆者の取材に応じた同博士は、水中に漂うレジ袋はクラゲのような獲物に見えることもあり、イルカやクジラなどの海洋哺乳類やウミガメのような生物が誤って摂取する可能性が高いと説明。こうした事故によって海洋生物が命を落とすこともあると警告した。
マーフィー博士によると、先行研究でも、プラスチックごみが沿岸リゾートの観光にどのような影響を与えるかを浮き彫りにしてきたという。今回の研究は、レジ袋の禁止や有料化がなぜ導入されるべきなのかを示す十分な証拠を提示していると述べた。この研究について、循環型経済を推進する英エレン・マッカーサー財団のサンダー・デフリュイも、レジ袋の禁止や有料化がプラスチック汚染を低減する効果的な手段であるという明確な証拠を提供していると評価した。
デフリュイは、レジ袋は世界で消費されているプラスチックのほんの一部であり、プラスチック汚染の危機に取り組むにはより広範な制度の改革が必要だと強調した。「私たちはプラスチックの設計や使用、再利用の方法を変えなければならない。単にリサイクルしたり削減したりするだけでは、プラスチック汚染の危機から抜け出すことはできない。現代の無駄の多い直線的なプラスチック経済は破綻している。現在の制度では、地中から採取された化石資源は包装や製品に加工され、多くの場合、ごく短期間の一度きりの使用の後で埋め立て地や焼却炉、最悪の場合は環境中に廃棄される。今日の直線型経済を循環型経済へと根本的に転換するには、野心的な産業界の行動と政策の双方が必要だ。それらが連動することで必要な制度の変化をもたらす」


