キャリア・教育

2025.08.18 13:30

迷う時間も無駄じゃない 創造性を引き出すソース原理の人生戦略

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──具体的にはどう行動すればよいか。

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山田:大きく2 つのアプローチがあります。自分がソースになるか、周囲のソースを手伝うかです。ソースとして「創りたい」「始めたい」と意欲を持つことは、自然と身体が動くことにヒントが隠れています。「周囲からどう見られるか気になる」「やりたいことが1つに絞れない」と感じるかもしれません。そうした気持ちもわかりますが、まずはその時々の興味・関心や、自然と体が動く方向に身を委ねてみて下さい。

また、周囲のソースを手伝うこともできます。ソースは1人ですべてを創れるわけではありませんし、意欲はあっても「ゴール」がクリアに見えていません。ソースに「これはイメージに近い?」「これは違う?」と問いかけながら、その人が創りたいものを一緒につくることは、ソースには大きな助けになります。また、他の人を助けることで、自分がやりたいことが見えることも多いです。

大切なのは、この役割に優劣はないことです。どの立場でも創造的な活動に参加できますし、次の機会には立場が逆になることも自然に起きます。 

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──まわりのルールや期待に合わせなければいけないと感じる10代も多い。

山田:10代は社会のルールや、周囲との関係の育み方を学ぶ大切な時期でもあります。

しかし、ソース原理の視点に立てば、そうした社会や周囲との関わりとは別に、「私はこれが好きだ」「創りたい」という気持ちが必ず制しては駄目ですが「自分の意欲を肯定する」「周囲と良い関係をつくる」ことは、どちらも大切にできます。

 ──いま、やりたいことが見つからない10代へのメッセージは。

山田:まったく問題ありません。ソース原理では、誰もがつくりたい意欲を持つと考えますが、それがいつ、どんな内容で表れるかは人それぞれです。「いつか見つかるかもしれない」というスタンスは大切ですが、焦る必要はありません。

ソース原理から見れば、迷いながらでも、自分の感覚を信じて、一歩ずつ進んでいくことが大切です。その小さな積み重ねを通じて、自分らしい道を歩んでほしいです。


山田裕嗣◎令三社代表取締役。セルム、サイカ代表 取締役COO、ABEJA人事責任者などを経て、2018年一般社団法人自然経営研究会を設立。21年令三社を共同創業。22年『すべては1人から始まる』(トム・ニクソン著、英治出版)を共同翻訳・監修。

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