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2025.08.04 14:00

「世界初」をうたうデザイン特化AIエージェント、「Lovart AI」が正式版を公開

Lina Chekhovich / Getty Images

Lina Chekhovich / Getty Images

サンフランシスコを拠点とするLovart AI(ラブアートAI)は7月23日、人工知能(AI)を用いたデザインツールを開発しており、ベータ版を終了し正式版の公開を開始した。月額90ドル(約1万3320円。1ドル=148円換算)未満のサブスクリプション費用で、プロ並みのデザインを数分で提供することを目指しているという。

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「世界初のデザインエージェント」をうたうLovart AI

「世界初のデザインエージェント」を自称するLovart AIは、独自の推論エンジンと主要な生成AIモデル群を組み合わせ、1つのテキストプロンプトからロゴ・パッケージ・動画・3Dアセットまでを生成することを可能にしている。筆者は、1カ月にわたってLovart AIを試してみたが、その完成度はプロのグラフィックデザイナーを震え上がらせるほどだった。

Lovart AIは、70カ国以上および80万人以上のユーザーを集めたクローズドのベータ版を経て、正式にローンチした。このツールに関心を寄せたのはデザイナーだけではなく、多忙なソロ起業家・学生クリエイター、マーケターなど多岐にわたっていた。同社チームの1人は、「初期ユーザーの多くは、毎回ゼロからデザインを作る余裕のないソロビルダーやスタートアップの人々だ」とRedditに投稿している。

複数の専門AIエージェントが「Mind Chain of Thought」で連携

Lovart AI共同創業者のメルビン・チェンCEOと、カーネギーメロン大学で学んだAI研究者で最高技術責任者(CTO)を務めるハオファン・ワンによると、このツールは単なる画像生成の枠を超えるものだという。Lovart AIの「エージェント型デザインモデル」は、クリエイティブディレクターのようにプロンプトを解釈し、「Mind Chain of Thought」と呼ばれる仕組みを通じて複数の専門AIエージェントをチームとして連携させる。

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ユーザーは、このツールを自然言語のインターフェースと「ChatCanvas」と呼ばれる共同作業スペースを介して利用する。例えば「ココナツラテのブランドを茶色系のカラーで作ってほしい」と指示すると、Lovart AIは、ロゴデザイン・カラーパレット・タイポグラフィなどをまとめた完全なビジュアルシステム、ポスター、商品イメージ画像、SNS用グラフィック、さらには動画広告のサンプルまでを生成する。

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編集=上田裕資

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