AI

2025.08.02 12:00

エクセルはもう不要? ChatGPTに指示するだけでデータ集計や計算を実行

Photo by Jakub Porzycki/NurPhoto via Getty Images

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今週、人工知能(AI)競争の様相がいかに変化しているかを示す鮮烈な例が現れた。

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それは誰もが知るAIモデルと、多くのパソコンユーザーにとって馴染み深い事務用テクノロジーが絡むものだ。すなわち、OpenAIのChatGPTとマイクロソフトのExcelである。

Excelはマイクロソフトの伝統的なOfficeスイートの一部であり、長きにわたって基礎的なソフトウェア市場を支配してきた。多数の初級事務職員が、この代表的なスプレッドシートソフトを駆使して仕事をこなしてきたはずだ。マイクロソフトはこうした市場分野を支配しつつ、Windowsベースのグラフィカルユーザーインターフェースを先駆けて開拓することでブランドを築いてきた。だが、それは昔の話だ。

現在、ChatGPTはスプレッドシート自体の利用に関わる新しい市場の一角を占めつつあり、本質的には、多くの初級事務職員を不要にしてしまう可能性がある。それは、既存の能力に加えて、このモデルが人間のように高度な認知能力でExcelを扱えるようになったからだ。

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データとデータ処理

新しいChatGPTの能力を、以前の段階と比較してみよう。ChatGPTの開発初期には、この技術はデータの集約に役立っていた。人間はそのデータをスプレッドシートに入力したり、さまざまな用途に利用したりしていた。

やがて、ChatGPTがExcelの基本関数や数式を生成できるようになった。乗算や合計など単純計算の式をたずねると、即座に正しい書式で提示してくれる。ChatGPT自身が示した例を引用しよう。

・従来の方法:=IF(AND(A2>100,B2="Yes"),"Approve","Reject") を自力で入力する必要があった

・ChatGPTの方法:「列Aが100より大きく、列Bが“Yes”ならApproveと表示して」と指示すればよい

これは、プログラマーやアナリストがAIに仕事を任せられると気付いた「バイブコーディング」(Vibe Coding)革命の一端だった。人手によるコーディングは過去のものとなり、ChatGPTなどのモデルに頼めば済むようになった。そしてこのようなプログラミングの民主化が進む中に、まったく新しい能力が登場したのだ。

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翻訳=酒匂寛

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