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2025.08.01 10:30

デザインソフトのフィグマが上場、終値は公開価格から「250%以上急騰」

Thomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty ImagesThomas Fuller/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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デザインソフトウェアを開発するFigma(フィグマ)の上場初日となった米国時間7月31日、同社の株価は公開価格から250%以上急騰し、同日終値は115.50ドルとなった。これは、今週初めに米証券取引委員会(SEC)に提出された資料で示された予想価格である30〜32ドルの3倍以上に達し、同社のCEOで現在33歳のディラン・フィールドは億万長者の仲間入りを果たした。フィグマは今回の新規株式公開(IPO)により12億ドル(約1800億円)以上の資金を調達している。

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31日午後につけたフィグマ株の初値は85ドルで、その後すぐに112ドル近辺まで上昇した。

2023年には、米国および英国の独占禁止当局がアドビによる200億ドル(約3兆円)規模の同社買収案を却下していたが、終値に基づくフィグマの時価総額は約500億ドル(約7兆5000億円)となり、アドビが提示していた買収額を大きく上回った。

今回のIPOによって、創業者であり『30 UNDER 30』にも選出されたフィールドの資産は、少なくとも18億ドル(約2700億円)に達したと見られている。

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フィグマの株式を保有していた投資家のうち、Index Ventures、Greylock、Kleiner Perkins、Sequoia CapitalはIPOに際して一部株式を売却した。

フィグマは、ピーター・ティールが開始した若手起業家育成プログラムであるティール・フェローシップ出身のフィールドが、ブラウン大学時代の同級生であるエヴァン・ウォレスと共に2012年に立ち上げた会社だ。2015年にクローズドベータ版を初めてリリースし、以降ウェブブラウザ上で動作するデザインツール群を提供してきた。英国の規制当局は、デザインソフト市場の過度な集中および競争の抑制を懸念し、アドビによる買収計画を退けていた。

フィグマのIPOは今年最大級の案件のひとつとされ、米国におけるIPO市場の回復傾向を示す動きと捉えられている。チャールズ・シュワブのアナリストらは、近年見られるIPO市場の低迷は高金利の長期化によるものと分析しているが、3月に上場したAIスタートアップのCoreWeaveのようにIPOで成功を収める企業が続いており、同市場の活性化が進んでいる可能性があるとしている。

なお、フィールドと共同創業者のウォレス(2021年に退社)は、依然として発行済みのクラスB株の99%を保有している。クラスB株はクラスA株の15倍の議決権を有しており、創業者が全体の約74%の議決権を握ることで、会社の実質的な支配権を維持している。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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