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2025.07.26 17:00

人間関係に重要な自分の愛着スタイルと「危険信号」、理解している?

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2024年にジャーナル『Personality and Environmental Issues』に掲載された論文は、個人の境界線が精神的な健康と人間関係の健全性にどのような影響を及ぼすかについての心理学的知見を体系化しようとしたものだ。

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この研究では、境界線がどのように定められるか、それらにはどのような種類があるのかについて、またパーソナルスペース(対人空間)をコントロールする上でどのような役割を果たすかについて、考察している。

そのほかこの研究では、境界線は単なるルールや選択ではなく、自身と他者を区別するために役立つ内的・外的な心理的空間であると定義している。この空間には、物理的な近さだけでなく、感情的、心的、さらには精神的な側面も含まれている。

・物理的境界:自分の体との物理的な接触や近さを制限する、目に見えて明らかな、空間的な境界

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・感情的境界:自分の感情と他者の感情に対処し、区別することなど、感情面での境界線があいまいになることを防ぐのを助ける

・心的境界:自分の思考、信条、価値観のスペースを定義する。自らの考えや意見を他者のそれらと区別することを可能にし、認知的な自律性の維持を助ける

・精神的境界:自分自身の意義や目的の感覚に関連するものであり、自らの精神的、または実存的アイデンティティの維持を助ける

これらの境界はそれぞれに異なるものである一方、個人の心理的自律性と人間関係のバランスを保つ上で、同様に重要な機能を果たしている。この研究は、これらを異なるタイプに分けて考えることで、境界線がいかに個人の羅針盤のように機能しているかということを明確に示している。こkれらは基本的に、私たちが何を受け入れ、何を拒否するかの判断に役立つものだ。

また、境界線の機能は、幼少期の経験に基づいている。この研究結果にも示されているとおり、安心感を得ることができると同時に、一貫性のある態度をもって養育された人は、境界を設定するにあたっての健全な基盤を築いている可能性が高い。

一方、養育態度に一貫性がなく、ネグレクトされてきたような人は、あまりにも柔軟性に欠けたり、極めて不明瞭な境界線を引いたりする可能性がある。これはどちらも、その人のウェルビーイングと人間関係に悪影響を及ぼすものとなる。

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編集=木内涼子

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