北米

2025.07.24 10:00

トランプ暗号資産事業の支援者、ジャスティン・サンがブルー・オリジンで宇宙へ

ジャスティン・サン、2015年撮影(Visual China Group via Getty Images/Visual China Group via Getty Images)

トランプの暗号資産事業を後押し

サンは、トランプが2期目の大統領に当選した直後に家族で立ち上げた暗号資産事業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」に3000万ドル(約44億円)を投資したことを機に、トランプとの関係を深めていった。サンはその後さらに4500万ドル(約66億円)を投資し、その75%がトランプの懐に入ったことが開示資料で明かされた。サンは、さらにトランプのミームコイン「$TRUMP」にも出資し、トランプ側に推定4億ドル(約584億円)をもたらしたが、彼自身はほとんど利益を上げていなかった。

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すでに触れたように、その数カ月後にトランプ政権はサンに対するSECの捜査を一時停止した。そして今年4月にトランプは、米ドルに連動するステーブルコイン「USD1」を発行し、その2カ月後にサンはトロン上でこのUSD1の鋳造(ミンティング)を開始したと発表した。これは、USD1をトークンとしてトロン上で生成し、初期流通を開始したことを指す。この結果トロン上でUSD1を使うユーザーが増えれば、その裏付け資産として預けられる米ドルや米国債も増えることになる。こうした準備資産から生じる利息は、USD1の発行主体であるWLFに収益として入り、最終的にトランプ陣営の懐を潤す構造になっている。

サンは、7月にさらに1億ドル(約146億円)相当の$TRUMP購入を表明した。彼は、フォーブスのインタビューで、中学生の頃からトランプのファンで、2000年代中盤にトランプが出演したリアリティ番組『アプレンティス』を観て、英語の口語表現を学んだと語っていた

保有資産は約1兆2410億円

サンは、バナナをダクトテープで壁に貼り付けた現代アート作品に620万ドル(約9億円)を投じたことでも知られている。この作品はイタリア人アーティストのマウリツィオ・カテランが制作したもので、昨年11月のニューヨークのサザビーズのオークションでサンが落札した。彼はその後、実際にこのバナナを食べていた。

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フォーブスは、22日時点のサンの保有資産を85億ドル(約1兆2410億円)と推定しており、彼を世界で383番目に裕福な人物としている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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