循環型経済が急拡大
米国では中古品の需要が急増しており、トランスペアレンシーマーケットリサーチによると、2024年の市場規模は推計1860億ドル(約27兆6000億円)で、2025年から2035年までの年間平均成長率(CAGR)は17.2%と予想されている。
このトレンドの要因としては、インフレ下での消費者の節約志向、持続可能性に対する意識の高まり、AIを活用した価格設定アルゴリズムなどの技術革新、イケアやパタゴニアなどの企業によるブランド認定リセールプログラムの推進などが挙げられる。
中古市場において、家具は人気のカテゴリーだ。市場調査およびコンサルティングを行うグランド・ビュー・リサーチのレポートは、グローバルの中古家具市場が、2023年の340億ドル(約5兆400億円)から2030年までに570億(約8兆4500億円)に達すると予測している。アプトデコの競合には、チェアリッシュやカイヨなどが含まれる。
同レポートによると、サステナブルな商品の購入や節約を目的に、中古品や再生品、リファービッシュ品などの家具を選択する消費者が増えているという。特に人気が高いのは木製家具で、2023年には中古家具市場に占める売上シェアは39.33%だった。また、購入の78%は住宅向けだった。
ファギリは、多くの顧客が持続可能性を考慮して中古家具を選んでいることに気が付いたという。「私たちの顧客は、『簡単で便利な上、お得な商品が見つかる。しかも、環境に貢献している』と言っている」と彼女は言う。アプトデコは、これまでに埋立処分場に廃棄される予定だった家具約2000万ポンド(約9070トン)をリサイクルしている。
一方、大手家具ブランドは、アプトデコ上のプライベートレーベルサイトで家具の再販を行うようになっている。「アウトレットストアに行かなくても、これらのブランドの商品をAptDecoで探すことができる」と彼女は言う。
関税が中古家具販売の追い風に
トランプ関税の発動は、中古家具の魅力をさらに高める可能性がある。トランプ大統領は、関税が家具製造を米国に回帰させるのに役立つと述べているが、業界誌『ファーニチャーインサイト』によると、4月の新規注文は9%減少している。その要因としては、高金利による住宅販売の鈍化や原材料コストの高騰が挙げられる。
「当社が扱う製品の大部分は中古品であり、米国内に在庫があるため、関税の影響を直接受けていない。現段階では、消費者が他の分野でのコスト上昇に対処するため、より安い価格を求めて中古品市場に目を向けはじめている兆候が見られる。同時に、より多くのブランドが収益源の多様化を図りながら関税の影響を緩和するため、中古品市場への参入方法を模索している。循環型経済にとって、これは非常にエキサイティングな時代だ」とファギリは語った。


