キャリア

2025.07.21 11:00

感情を読み取れない「Z世代の眼差し」 2030年に職場の多数派となる世代との向き合うために

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Z世代独自の背景は、企業を新しい方向へ導くのにどう役立つのか

サハはまた、Z世代につきまとうネガティブな評判を職場に持ち込むことを再考するよう提案する。「働くZ世代には方向性や目的がないとか、一緒に働くのが難しい(忠誠心が低く、高望みする)と言うのではなく、Z世代独自の背景が企業を新しい方向へ導くのにどのように役立つかを理解するために会話を改めるといい」と話す。その際のポイントは以下の通りだ。

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・Z世代は本物であることを重視し、購入・支持するブランドに対して高いハードルを設けている。組織として、どうすればその基準に達することができるのだろうか?

・Z世代は階層型の組織では力を発揮できない。組織内での立場は違っても、Z世代が共同で何かを生み出し、プロセスに傾倒できるような共同作業モデルをどのように作ればいいだろうか?

・Z世代はせっかちだ。どうすれば素早い反復作業モデル(プロトタイプを作り、テストし、学び、繰り返す)を構築できるだろうか?

・Z世代は仲間やSNSに大きく依存しており、組織のSNSマーケティングを加速させるのに力を発揮する

求められるオープンな対話の文化

ガルヴィンによると、働く若い世代は信頼性や柔軟性、透明性、目的の共有を優先する環境で成長する。「彼らはマイクロマネジメントではなくメンターシップを求めている。いい給料だけではなく、意義のある仕事に価値を見出す」とガルヴィンは指摘する。「Z世代を巻き込むためには、リーダーはオープンな対話の文化を培い、明確な期待値を設定し、若い世代が社会人になって組織で出世し続ける中で、リーダーとしてのあり方を進化させるという意思を持たなければならない」。

雇用主には、誤解したり誤った判断をしたりする余裕はない

メディアは「Z世代の眼差し」をからかっている。昨年、中身のない短いメッセージを送信する「ヘイ・ハンギング」の流行を風刺したように、「Z世代の眼差し」を緊張状態と呼び、目を丸くする真似をする人もいる。理解できない現象を笑ったり、からかったりするのは人間の性だ。だが、2030年までに職場で大多数を占めることになる世代を雇用主が誤解したり誤った判断をしたりする余裕はないと専門家たちは口を揃えている。

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forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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