モビリティ

2025.07.22 16:00

自動車の次は掘削機、元ウェイモ技術者設立の「建設現場を自動化」する企業が120億円調達

Bedrock Robotics共同創業者でCEOのボリス・ソフマン(C)Bedrock Robotics

Bedrock Robotics共同創業者でCEOのボリス・ソフマン(C)Bedrock Robotics

アルファベットの自動運転部門ウェイモでキャリアを積んだ技術者が創業したスタートアップのBedrock Robotics(ベッドロック・ロボティクス)が、8000万ドル(約119億円)の資金を調達してステルス状態を抜け出した。同社は、人間のオペレーターの手を借りずに重機を24時間稼働させようとしている。

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ロボタクシー(自動運転タクシー)分野のリーダーであるウェイモ出身のエンジニアたちは、「建設機械の自動化」という新たな巨大市場に狙いを定めている。前職でトラックの自動化に取り組んでいたスターエンジニアのボリス・ソフマンは昨年、元同僚のアジェイ・グマラやケビン・ピーターソン、そしてエンジニアのトム・エリアズとともに、Bedrock Roboticsを設立した。彼らがまず手がけるのは、建設現場の掘削作業に不可欠な存在である掘削機の自動化だ。

サンフランシスコに拠点を置くこのスタートアップは、独自の建設機械を設計するのではなく、既存の機器にカメラやLiDAR(光によって対象物までの距離や形状を測定する技術)、コンピュータ、人工知能(AI)ソフトウェアを搭載し、人間の作業員であれば定期的な休憩が必須となる酷暑の環境下でも24時間稼働できるようにする計画だ。

ウーバーの物流部門Uber Freightの元EVP(エグゼクティブ・バイスプレジデント)のローラン・オトフェイユもCfOOとして参画したBedrockは、新たに8000万ドルを調達して、2026年に商用オペレーションを開始する予定だ。

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交通のイノベーションを建設現場に

「ウェイモがロボタクシー分野で成功を収めたことによって、自動化のテクノロジーの正しさが証明された。世界で最も困難な領域の一つで成果が出せたのだ」と、ソフマンはフォーブスに語った。「この技術は、変革を引き起こすための基盤になる。重機が使われている現場を見れば理解できるが、ここには交通分野と似た構造がある。つまり、交通業界で起きている変化が、建設機械にも確実に押し寄せることになる」

米国の巨大な建設業界はいま、難しい局面を迎えている。住宅やデータセンター、工場の建設需要は高いが、トランプ政権の関税政策と移民の取り締まり強化によって資材コストが上昇し、熟練労働者の供給不足がさらに深刻化している。

「マクロ経済的に見れば、巨大な追い風が吹いており、米国の再工業化が求められている」とソフマンは話す。「一方で、この分野ではトラック業界以上に、労働力が急速に枯渇し始めている」

ソフマンは、売上目標を明かしていないが、この分野の市場は巨大だ。バイデン政権の超党派インフラ法に後押しされたインフラの刷新や倉庫、データセンター、工場の建設需要の高まりにより、米国における掘削作業契約の今年の収益は、調査会社IBISWorldのデータによれば、前年比2.5%増の1450億ドル(約21兆6000億円)となる見通しだ。Bedrockは評価額を公表していないが、1年以内に追加の資金調達を行う計画という。

同社は現在、アリゾナ州やテキサス州、アーカンソー州の自社の拠点で自動運転掘削機のテストを実施中で、来月には顧客の作業現場に導入予定だという。「すべてが順調に進めば、2026年には人間のオペレーターを使用しない正式運用を開始できると見込んでいる」と語るソフマンは、カーネギーメロン大学でロボティクスの博士号を取得した。

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編集=上田裕資

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