欧州

2025.07.18 09:00

ウクライナが迎撃ドローン数万機調達へ キーウでは防空ドーム「クリアスカイ」稼働か

ウクライナのドローンメーカー、ワイルドホーネッツの迎撃ドローン「スティング」がシャヘド自爆ドローンを撃墜する様子(Xに投稿された動画より)

迎撃ドローンの進化

わたしたちも追ってきたように、ウクライナは2024年、地上攻撃用のFPVドローンを改造し、ロシアの偵察ドローンを撃墜する迎撃ドローンに転用する取り組みを急ピッチで進めた。以前はほとんど妨害を受けずに飛行していたロシア軍の偵察用の固定翼ドローンは、やがて百機単位で落とされるようになった。ウクライナ軍のドローン操縦士たちは、有人機の空中格闘戦(ドッグファイト)の戦術も応用しながら迎撃の技量を高めていった。ロシア軍の偵察ドローンを次々に落とすことで、目標を探知し、砲弾やロケット弾、ミサイル、攻撃ドローンを誘導するその能力をつぶしていった。

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偵察ドローンの迎撃からシャヘド迎撃へはほんの一歩だった。偵察ドローンと比べると、シャヘドは一回り大きく、重量も180kg超と重く、やや高い距離をやや速い速度で飛ぶ。したがって、シャヘドを迎撃するには設計の改良が必要とされ、これまでに従来のような形のもの以外に、空気抵抗を減らした弾丸形のクワッドコプター(ウクライナのドローンメーカー、ワイルドホーネッツの「スティング」など)、デルタ翼の矢じり形などのデザインが登場している。

価格は速度や航続距離、耐久性によって異なるが、1000〜5000ドル(約15万〜75万円)くらいの範囲とされる。多くはセルヒー・ステルネンコのような民間人の募金活動を通じて調達されている。

迎撃ドローンに関して決定的に重要なのは、脅威の規模に対応して生産を迅速に拡大できることだ。

シャヘドを迎撃するためのドローンが多数存在することはわたしたちも知っているが、作戦保全上の理由から運用に関する情報は乏しかった。端的に言えば、対シャヘド迎撃ドローンの作戦に関しては報道管制が敷かれてきた。シャヘドがドローンによって撃墜されたという報告や、その様子とされる動画も少数ながらあったものの、公式な情報は皆無に近かった。

それが変わりつつあるのかもしれない。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は今週、自身のフェイスブックページで防空部隊の仕事をたたえ、そのなかでこう言及した。「迎撃ドローンがとくに優れた働きを見せていて、今週だけですでに、ロシアとイランによってつくり出されたシャヘドを数百機撃墜しました」

興味深いことに、敵側からも情報が提供されている。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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