空中で襲われた準絶滅危惧種のペリカン
ロシア軍の迎撃FPV(一人称視点)ドローンが撮影した動画(編集注:場所はウクライナ南部ヘルソン州上空とされる)には、ウクライナ軍の偵察ドローンを迎撃する様子に加え、2羽の大型鳥に接近する場面も映っていた。遠方からはこれらの鳥がドローンと誤認された可能性もあるが、いずれにせよ、迎撃ドローンが鳥たちのすぐそばまで来ても操縦士は迎撃を中止せず、うち1羽に狙いを定めてぶつからせている。
Russians brag about killing endangered pelicans with FPV drones. Russians don't need a reasons to kill — they just love doing it. https://t.co/UpRsjneaYz pic.twitter.com/Mj67tIOylD
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) July 7, 2025
この動画をソーシャルメディアに投稿したこと自体、ロシア側がやったことについて得意になっていたことを物語っている。
映像の大型鳥は当初、この地域でよく知られるコウノトリと誤解されていたが、実際には湿地帯の象徴的な鳥で、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「準絶滅危惧種」に指定されているニシハイイロペリカンだった。
鳥を救うことと、鳥殺しをソーシャルメディアで自慢することとの対照は際立っている。
動物虐待は強い嫌悪感を呼び起こすかもしれないが、ロシア軍のFPVドローンが鳥に対して行った無造作で残酷な攻撃も、ロシア軍がヘルソン市やその近辺で民間人を狙って繰り返している「人間狩り(ヒューマン・サファリ)」に比べれば些細なことだ。今月9日には、民家の庭にいた乳児とその祖母がロシア軍のドローンで攻撃され、乳児はその場で死亡した。ペリカンへの攻撃と同じく、これは明らかに意図的で計算された攻撃だった。由々しいことだが、ヘルソン一帯では民間人に対する精密攻撃が日々続いており、同様の事例が数え切れないほどある。
戦争におけるプロパガンダには長い歴史があり、敵の残虐行為や味方の英雄的な行動に関する話は古今東西にみられる。現代では通信手段が発達したおかげで、こうした話の真偽は昔より確認しやすくなった。しかし、人々が何をソーシャルメディアに投稿しているか、それ自体からうかがえることもある。
米国の詩人マヤ・アンジェロウの言葉を借りれば「どんな人なのか垣間見えたら、それを最初に目にした時に信じなさい」ということだ。


