モビリティ

2025.07.16 14:00

「欧州初の自動運転サービス」目指す、独MOTOR Aiが30億円調達

MOTOR Aiの共同創業者でCEOを務めるロイ・ウールマン(写真右)Photo by Jens Büttner/picture alliance via Getty Images

MOTOR Aiの共同創業者でCEOを務めるロイ・ウールマン(写真右)Photo by Jens Büttner/picture alliance via Getty Images

ヨーロッパで初の完全自動運転車を走らせるのはどの企業になるのだろうか? 米国の先駆者であるテスラやウェイモとの厳しい競争の中で、ドイツのスタートアップ「MOTOR Ai(モーター・エーアイ)」は自社がこの分野の競争を制する可能性があると考えている。同社は2026年に欧州における自動運転車の走行許可を取得することを目指しており、まずはドイツから、そしてその後は欧州連合(EU)の他国へと展開する計画だ。

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MOTOR Aiは7月14日に2000万ドル(約29億8000万円)の資金調達を発表したが、ここで重要なのは、同社が他の自動運転分野の大手とはまったく異なるアプローチを取っている点にある。同社は一般消費者向けの市場ではなく公共交通市場をターゲットとしており、自社で新型車を開発するのではなく、既存の車両にテクノロジーを後付け(レトロフィット)している。また、MOTOR Aiが使用する人工知能(AI)の仕組みも、従来のものとは異なるものだ。

この最後の点こそが、同社にとっての欧州市場における優位性になると、共同創業者でCEOを務めるロイ・ウールマン氏は語る。ベルリンを拠点とするMOTOR AiのAIソフトウェアは、大規模なデータセットで訓練されたアルゴリズムではなく、「アクティブ・インファレンス(能動的推論)」という手法を用いて、車両が直面する環境を予測する。これにより、規制当局への説明が容易になるという。

「このテクノロジーは、説明可能性が非常に高い。従来のブラックボックス型のAIとは異なり、すべての意思決定がどのように行われたかを開示可能だ」とウールマンは説明する。「EUでは、完全自動運転システムの認可には説明可能性が必須であり、それが非常に重要になる」と彼は続けた。

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MOTOR Aiはこのソフトウェアを特定のタイプの車両、すなわちメルセデスのミニバンに搭載することで、スケールと生産能力を高めている。同社の目標は、ドイツ国内の自治体にサービスを提供し、都市部と地方部の両方でオンデマンドの公共交通サービスを実現することにある。「公共交通網を改善しなければ、人々はマイカーから離れない」と、ウールマンは持続可能性を重視するビジネスモデルの背景を説明した。

MOTOR Aiは、すでにベルリンで安全ドライバーが同乗する試験運行を開始しているが、今後はドライバーなしの「レベル4」の自動運転の認可取得を目指している。同社はすでに複数のドイツの自治体と、公共交通のサービス提供に向けた協議を進めている。

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編集=上田裕資

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