アジア

2025.07.15 09:00

トランプの「反武士道」的行動に日本震撼 経済と安保「覚醒中」

DannyOliva/Shutterstock.com

日本に関して興味深いのは、地政学的な不確実性が高まるなかで、経済と金融市場が「解凍」されつつあるという点だ。不動産部門は1990年代初めの水準に戻りつつある(東京の住宅価格はすでに1991年のピークを上回っているものの、全国ではまだその水準には達していない)。

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長らく国債利回りを抑えてきた日本銀行は現在、利上げに転じており、日本国債の利回りは上昇傾向にある。日本の国債市場(と日銀のバランスシート)の大きさから、これは国際的な利回り上昇の要因にもなっており、この点は中期的な市場リスクとして注視に値する

日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)がない状態で国債利回りが上昇する一方、企業収益や消費者行動、雇用といった日本経済の原動力と見なされている要素はもっと低調だ。そのため、日本は本格的な回復の手前にいるのか、それとも、よりひどい事態の瀬戸際にあるのか、微妙な感覚を生んでいる。

トランプの関税や、日米関係が壊れて混乱を招く事態は、不人気な石破 茂政権を動揺させる可能性がある(参議院選挙が間近に迫っている)。石破政権は、非常に「アン・ブシドー(非武士道的)」な世界のなかで悪戦苦闘している。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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