マーラータン人気4つの理由
それにしても、なぜマーラータンは、突然、日本で女性たちに支持されるようになったのだろうか。TDCの女性メンバーで、都内で働くハンドルネーム「aokinapple」さんは、ウェブ記事「人気沸騰!マーラータン 私が考えるブームになった4つの理由」(2025年1月22日)のなかで次のように分析している。そのまま一部を引用してみたい。
<(マーラータンが流行した理由について)テレビでも取り上げられたほか、数年前から韓国でマーラータンが人気になっていて、韓国の有名人が食べているのを見て、これまで食べたことのなかった日本人のファン、特に若い世代が食べ始めたと聞きます。
でも、私はもっと根本的な視点から流行の理由について考えてみたいと思います。
それは主に日本人の健康志向だと思います。以下、私が考える4つの理由です。
1)野菜が一度に摂れる
最近は若い頃から健康志向の考えを持つ人が多いと言われています。筋トレやタンパク質の話題も身近ですし、コンビニではサラダチキンはいまもなお外せない商品で、惣菜には1日の〇分の1の野菜が摂れるという表示を見かけます。
カップデリ(透明の小さめのカップに副菜が入ったシリーズ)やスープの種類が増え、弁当の売上が落ちているそうです。その理由もカップデリやスープの方が一度に野菜が摂れるから。マーラータンも同じく、一度に野菜が摂れるスープです。
2)グルテンフリーが選べる
今日、日本でも認知されるようになったグルテンフリーですが、小麦粉を食べて健康に影響はない人でも、グルテンフリーに安心感を持っている人は少なくありません。
少し前に話題になった香港の米線(ライスヌードル)の店「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」の来店客へのインタビューに「グルテンフリーなので食べていても罪悪感がない」との回答があったそうです。小麦麺の方が、麺が水分を吸うので体重が増えやすいことは、私も体験済みです(笑)。グルテンフリーの友人と一緒に食事ができる店は日本ではまだ少ないので、そのような選択肢があることはうれしい限りです。
3)春雨と火鍋の認知度
春雨で思い出す商品といえばエースコックの「スープ春雨」ではないでしょうか。コンビニでご飯を済ませるときに買う人も多い低カロリーのロングセラー商品です。
また「火鍋」は食べたことがなくても、テレビで見たことがある人も多い。だから、スープに春雨を入れた料理、または1人用の火鍋という説明が理解しやすく、食べたことがない人にも想像できること。辛さも選べると聞けば、チャレンジしやすいのではないでしょうか。
4)トッピングを選ぶときのワクワク感
日本食でトッピングして具材を選ぶ店には讃岐うどん店やバイキングがありますが、マーラータンの店では自分で具材を選ぶ店がほとんどです。常時50種類以上あるので、今日はお腹すいているから煮卵も入れようとか、次回は違うものを試してみようとか、毎回異なる食の楽しさがあります>
2人の女性が書いているように、具材と辛さをカスタマイズできる中国の最新飲食システムの導入こそ、マーラータン人気の理由の1つと言えそうだ。最近では、若い男性の姿も店内でよく見かける。男女問わず、健康志向も背景にあるのだろう。


