時代の変化に柔軟に対応し、“営業の新たな在り方”を実践する企業を選出するアワード「NEW SALES OF THE YEAR 2025」。そのAIトランスフォーメーション賞に選出されたのがfreeeだ。
営業とは人との対話で成果を生む。そのために導入した「つばめAUTO」。このAIは、人が人に寄り添うための最高のバックアップとなった。
会計ソフトを中核とする統合型経営プラットフォームを提供するフリー。2024年12月末時点で有料課金事業所は56万を超え、直近3年間で倍増に近いペースで顧客基盤が広がっている。この成長の裏では、プロダクトの拡張や事業部の多層化に伴い、社内オペレーションが複雑化。業務間の受け渡しに時間と労力がかかり、営業担当者が本来注力すべき「顧客との対話」に割く時間が圧迫される課題があった。
法人営業を担うSMB事業部本部長の小原史明は、業務効率化の本質をこう語る。「会計に課題があると感じるお客様にお話を伺っていくと人事労務に課題があることもあります。本質的な課題を掘り起こすには、対話のレベルを上げ、関係構築が重要。お客様それぞれのタイミングを大切にし、感情にちゃんと寄り添っていく。これは人にしかできない」
こうした考えのもと、フリーが選んだのは、「AIによって人間の価値創出に集中する時間を取り戻す」ことだった。AIは人の代替ではなく、余白を生み出す“土台”として捉える思想だ。着手したのは、部門間の業務プロセスの標準化。社内外の会議内容の自動要約からCRMへの情報入力を行うAIシステム「つばめAUTO」を実装し、AIが商談フェーズを自動判定する仕組みを整えた。その結果、商談の事後処理時間を45.2%、架電の事後処理時間を56.2%それぞれ削減。顧客とのコミュニケーション時間は21.7ポイント向上し、既存顧客の新規サービス導入も増えた。
オペレーションの構築をリードしたビジネス基盤部の山本晴香は「お客様とのミーティングや社内会議の議事録から業界課題まで非構造だった情報が自動で構造化された。営業は注力すべき顧客対応や提案活動に時間を使えるようになり、業界ごとの課題の把握も進んだ」と説明する。
並行して開発した「つばめNAVI」では過去の商談や顧客とのやりとりをデータ化。プロダクト知識や営業ノウハウといった属人化しがちなナレッジを、部門を越えて共有する仕組みづくりを進めている。営業現場のマネージャーを務める磯崎音は「顧客の業種は多様で、それぞれが抱える課題とソリューションは幅広く、長期的に伴走が必要な部分も多い。必要な情報を正しく残し、入社間もない社員でも提案のヒントを得られる。組織全体の営業力が底上げされた」と手応えを感じている。
AIが土台の組織は、顧客に寄り添い、新たな課題を解決していくことだろう。
小原史明◎常務執行役員 SMB事業本部 本部長(左)
山本晴香◎ビジネス基盤部セールス&マーケティング業務企画チームマネージャー(中央)
磯崎 音◎SMB事業本部広告/メディア事業部Account Executive unit マネージャー(右)



