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2025.07.10 15:00

タトゥーと性格は無関係? 心理学者が解説する第一印象の落とし穴

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2. タトゥーが人格の全体像を示していると認識してしまう

通常、特定のタトゥーを入れた背景には深い意味やストーリーがある。あなたは、誰かのタトゥーに込められた意味を知れば、その人の人となりを深く知ることができると思うかもしれない。

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だが研究によると、そうではないという。観察者にタトゥーに込められた思いを教えても、判断の精度が大幅に高まることはなかった。

意味を共有することで、特に神経過敏のような特徴については観察者らが抱く印象が一致することがわずかに増えたものの、タトゥーを入れた人の実際の自己認識に大きく近づくことはなかった。

タトゥーの意味はさまざまな気持ちが込められたものではあるが、必ずしも人格を明らかにするものではない。

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例えば、親に思いをはせるタトゥーは確かに深い感情を示しているかもしれないが、必ずしもその人が外向的で気さく、あるいは非常に誠実であることを示すわけではない。

場合によっては、そのストーリーは見た者がデザインそのものからすでに想定していることを補強するだけで、想定していることを疑ったり洗練させたりするものではない。

これは、タトゥーそのものやタトゥーの背後にある意味はひとときや記憶、または表現したかったアイデンティティの一面を反映しているだけであり、人となりの全体像ではないということを改めて示している。

とはいえ、タトゥーを入れている人にその人のタトゥーについて尋ねることは必ずしも無意味ではない。生き様や愛したもの、失ったものをうかがい知る機会が得られ、その人と一層深くつながることができるかもしれない。

時には、それは性格についてのレッテルよりも意味がある。

第一印象を再考すべき理由

全体像を知らずに人を判断したり、決めつけたりするのは簡単なことだ。それは本能的なものであり、時には確信のように感じられる。

人を素早く理解するように仕向けられていると感じるかもしれない。だが、外見がどんなに独特のものであっても、真の姿を示すことはめったにないということを肝に銘じてほしい。タトゥーはその人のストーリーをうかがわせるかもしれないが、その人の全人格を示すわけではない。服装でその人の価値観がわかるわけではなく、静かな物腰が穏やかさを意味するわけではないのと同じだ。

表面的な手がかりを理解への近道として扱うのではなく、それは単なる投影、あるいは自分の思い込みで作られていくスナップショットのようなものだということを覚えておいてほしい。

これは第一印象を完全に却下するということではない。第一印象を和らげるということだ。全体像を知らないという可能性を受け入れる余地を、残しておきたい。

その人の本当の姿は、時間をかけて実際に相手を知ることでしか理解できない。それまですべての思い込みは、まだ現実のものになっていない深いつながりのための代替物にすぎない。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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