職場で誤解されやすい絵文字
筆者は「おめでとう」や「よくやった」という意味で拍手の絵文字をよく使う。だがZ世代は応援の意味ではなく、皮肉として使うことが多い。
スマイルの絵文字も世代によってとらえ方が異なるもののひとつだ。筆者は学生へのメッセージで、気さくな感じを出そうとしていることが相手にはっきり伝わるようスマイル絵文字を使っている。だが働く若い世代の目には、こじつけ、不誠実、あるいは見下しを意味するものとさえ映る。もし批判的なフィードバックの後にスマイル絵文字を送ったら、Z世代はそれを思慮深いものというより受動的攻撃性があると解釈するかもしれない。
ドクロの絵文字も興味深い。従来は死や危険、恐怖を表していた。Z世代はいま、面白すぎて「やばい」という意味で使っている。これはユーモアであり、病んでいるという意味ではない。グループチャットでは、笑いながら涙している絵文字が使われるかもしれない。だが、職場の管理職がこの絵文字を見てそのまま解釈すれば、その違いが混乱や懸念につながる可能性がある。
OKサインも進化している。年配の世代は「問題なし」「うまくいっている」という意味で使うが、若い世代はこの絵文字を否定的な意味にとらえたり無意味なものと解釈することがある。SNSなどの一部のグループでは、まったく意図しない別の意味を持つことさえある。良い意味で使われたとしても、そのようには受け止めてもらえないかもしれない。
大泣きの絵文字や涙が流れている顔の絵文字はかつては深い悲しみや悲嘆を表すのに使われていた。近年では、笑いなど極端な感情反応を示すのに好んで使われるようになっている。誇張されたユーモアを交えて大げさに使われることが多い。深刻な感情と冗談めかした皮肉。その違いは同僚とのチャットで大きな誤解を生むことになりかねない。
大きな問題に発展している理由
ほとんどの人は、誰かの気分を害しようとしているわけではない。だが、トーンを誤解すると、人はその意図を疑い始める。
問題は共通の理解の欠如だ。あるメッセージについて、「よくやった」という意味だと解釈する人と、「あなたにムカついている」という意味だと解釈する人がいるとしたら、それはコミュニケーションの崩壊だ。
ビジネスリーダー、職場のリーダーたちはこのことを認識する必要がある。部下に社会人としてのメールの書き方を教えるように、デジタルプラットフォームでのトーンについても話すべきだ。SlackやTeams、グループメッセージングアプリのようなツールにより絵文字の使用はこれまで以上に一般的になっている。だからこそ、絵文字の解釈の違いに対処することがこれまでになく重要なのだ。


