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2025.07.03 11:30

ウォーレン・バフェットが数千億ドルを稼いだ「紙一枚で説明する」投資法

Paul Morigi/Getty Images for FORTUNE

Paul Morigi/Getty Images for FORTUNE

ウォーレン・バフェットの投資手法がシンプルであることは有名だ。「オマハの賢人」と呼ばれる彼はかつて、生涯で20件の投資案件に絞る投資家は「より良い結果を得る」と話した。なぜなら、そうした人は「最良の機会に集中せざるを得ない」からだ。この哲学は、どんな投資家も紙1枚で投資判断を説明できるようにすべきだという彼の信念にも及んでいる。

バフェットが具体的な投資手法を公表したことはないが、数十年にわたる株主書簡や公的な発言から、彼が使用しているフレームワークは明らかになっている。バフェットが企業を評価する際に重視するのは、事業のファンダメンタルズ、経営の質、財務指標、バリュエーションの4つである。本稿では、ウォーレン・バフェットが紙一枚で投資判断を説明する際に書かれているであろうチェックポイントを紹介しよう。

ビジネスを理解できるか?

バフェットの最初のルールはシンプルだ。彼は、「理解できないビジネスには投資しない」彼の投資シートの一番上には、その会社が何をしているのか、どのように儲けているのかが、一文で明確に書かれていることだろう。バフェットは、投資対象を自分が分析しやすいビジネスに限定し、経営理念が曖昧な企業は避ける。

ここで考えるべき問いとは、以下のようなものである。このビジネスは予測可能な収益を上げているか? 競争上の優位性を簡単に説明できるか? この企業の「競争における堀(モート、優位性)」は長い年月に耐えられるか?

利益を上げているか?

バフェットは利益率の高い企業を高く評価し、EVA(経済的付加価値)、つまり資本コストを考慮した後の利益を重視する。バフェットの投資シートには、株主資本利益率(ROE)、負債水準、キャッシュ創出能力などを表す数字が含まれていることだろう。

彼が求めるのは、単に割安な企業ではなく、「適正な価格で買える、高い競争力を持つ優れた企業」である。そして、投資シートには、その企業が一貫した収益性を持ち、効率的な資本展開をしていることを示す数字がなければならない。

マネジメントはオーナーのように行動するか?

バフェットは、経営陣が歴史的に利益を会社に再投資してきたか、もしくは配当を通じて株主に資金を再配分してきたかを評価する。経営陣が株主価値の最大化に注力していることを示唆するため、彼は後者を支持する。

透明性は極めて重要だ。彼は、「どの企業にもミスはありますが、そのミスを公表している企業だけが株主の信頼に値します」と話す。バフェットの投資シートには、経営陣がミスを認め、投資家と誠実にコミュニケーションをとっているかどうかが書かれていることだろう。

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翻訳=江津拓哉

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