「爆発的な脱ガス」
今回の研究をまとめた論文の筆頭執筆者で、米アメリカン大学とGSFCに所属するネイサン・ロスは「今回の測定により、この巨大な氷天体がどのように活動しているかを調べることができる」として「現在確認されているのは爆発的な脱ガスのパターンであり、これにより、この彗星が太陽系の内側に向かって飛行し続ける間にどのように変化するかに関する新たな疑問が浮上している」と述べている。脱ガスは今後も続くことが予想され、UN271彗星がこの数年間のうちに太陽に近づくにつれて、CO以外の凍結したガス、特にメタンやホルムアルデヒドなどのジェットが見られることを、天文学者は期待している。
見つかっている中で最大級の彗星
UN271彗星は、オールトの雲を起源とする、これまでに観測された最大級の彗星だ。オールトの雲は太陽系の周囲を大きな厚い泡のように取り囲んでいると、NASAは説明している。冥王星のはるか遠方にあるオールトの雲は、無数の彗星が集まる貯蔵庫だ。だが、UN271はこれまで発見された中で最大の彗星というわけではない。史上最大の彗星は「1729年の大彗星」と呼ばれるサラバ彗星(C/1729)と考えられており、肉眼で観測できた。


