経営陣がAIに多額の投資を行い、全社的な導入を推進する一方で、ほとんどの従業員は取り残されている。Gallupの調査によると、労働者の3分の2が仕事でAIを使用したことがないと回答しており、毎日使用しているのはわずか4％だという。その結果、変化に順応する社員とそうでない社員との間で、AIスキルの格差が広がっている。
AIに精通することは、もはや「選択肢」ではない。どのようなキャリアにとっても必要不可欠なものなのだ。良いニュースは、遅れを取り戻すのに遅すぎるということはないということだ。そこで本稿では、現在の職種や技術的なバックグラウンドに関係なく、AIスキルを身につけるための10の方法を紹介しよう。
1. 無料オンラインコースから始める
大手AI企業が提供する包括的な無料オンラインコースのおかげで、AIスキルを学ぶ際の障壁はかつてないほど低くなっている。例えば、OpenAI Academyは、専門家主導のワークショップ、オンラインチュートリアル、実世界での応用を想定したコミュニティを提供している。また、最近Anthropicは『AI Fluency：Framework & Foundations』と呼ばれるコースを開始した。このコースは、University College Corkのジョセフ・フェラー教授とRingling College of Art and Designのリック・ダカン教授との共同開発によるものだ。
ダカン教授はこのコースについて、「私たちがこのフレームワークを作ったのは、人々がより良いプロンプト以上のものを必要としているからです。人々は、AIに任せるべきタイミング、AIのアウトプットを評価する方法、そして人間の判断を維持すべきタイミングなど、実践的なスキルを習得する必要があるのです。成功する学生や専門家とは、このようなコラボレーションのスキルを習得した人たちとなるでしょう」と説明する。
2. 実用的なAIの適用方法に集中する
AIのスキルを身につけるために、機械学習のアルゴリズムを理解する必要はない。それよりも、自分の職務においてAIがどのように問題を解決できるかに集中しよう。
・電子メールの下書き、データ分析、コンテンツ作成、調査結果のまとめなど、日々のワークフローで繰り返される作業を特定する
・AIツールを使ってコミュニケーションの草稿を作成したり、スプレッドシートのデータを分析したり、プロジェクトのアイデアをブレインストーミングしたりする
・手当たり次第に試すのではなく、コンスタントに実践することが重要である
・成功したAIの適用方法について記録を残すことで、何がうまくいったかを把握する
こうしたデータは、上司や人事部と自分のAIスキルについて議論する際に貴重なデータとなる。
