作業は絶えず中断され、優先順位は変動し、世界情勢は不確実だ。こうした状況において、仕事に集中し続けることはますます困難に感じられる。カリフォルニア大学アーバイン校の研究によると、仕事でスクリーンに集中する持続時間は、2004年には平均2.5分だったが、近年はわずか47秒にまで短縮している。
一方、人事分析ソフトウェア開発企業Insightful(インサイトフル)の最新調査では、92%の雇用主が、「集中力の低下」を職場における深刻な問題だと考えていることが明らかになっている。
集中できないと、ストレスレベルが高まり、仕事の満足度が低下し、常に後れをとっているという感覚がつきまとう。明確な思考と戦略的集中が最も重要となるこの不確実な時代に、皮肉なことだが、我々の脳はそれに対処する能力が最も低下しているのだ。
以下では、仕事に集中できない5つの理由と、集中力を取り戻すために今日から実践できるテクニックをご紹介する。注意散漫になってしまう仕事時間を、意味のある生産的な時間に変えるための方法だ。
仕事に集中できない5つの理由
1. 燃え尽きがエネルギーを奪う
Boston Consulting Groupの調査によると、世界の労働者の半数が燃え尽き症候群(バーンアウト)に苦しんでいる。燃え尽きは、脳の情報処理や集中力の配線が根本的に変化してしまう状態だ。
職場では、以前なら簡単と思えたタスクに集中できなくなるというかたちで現れる。重要な会議中で気が散ったり、同じ段落を何度も読んでは、その意味が理解できなかったりする。これは、性格上の問題や意志の弱さではない。慢性的なストレスに対する脳の防御反応だ。
効果的な解決策:
・1日を通して、定期的に休憩を挟む。1時間ごとに5分、スクリーンから離れる
・外を短時間散歩したり、数分の深呼吸で神経系をリセットする
・最も認知負荷の高い作業は、エネルギーがピークの状態にある時間帯(通常は午前の遅い時間帯、起床後2~4時間後)に行なう
・身体的な健康を優先する。定期的な運動、十分な睡眠、適切な栄養摂取は、集中力にダイレクトに影響する(10分の散歩で、集中力は最大2時間ほど向上する)
・回復はオプションではなく、必須事項だと認識する。脳は、情報を整理し、注意力を回復するために休息が必要だ


