アステロイド・デー・アリゾナ
もともと「小惑星の日」というコンセプトは、米航航空宇宙局(NASA)の有人宇宙船アポロ9号の乗組員として知られる宇宙飛行士のラッセル・シュワイカート、小惑星の衝突から地球を守る方策を研究する非営利民間組織「B612財団」のダニカ・レミー、英ロックバンド「クイーン」のギタリストで天体物理学者のブライアン・メイらが共同で2014年に創設したものだ。
今年のイベントではシュワイカートが、天文学者で科学系ユーチューバーのスコット・マンリー、女性宇宙飛行士が主人公のSF小説『レディ・アストロノート』シリーズの著者メアリ・ロビネット・コワルとともに、バリンジャー隕石孔で講演を行う。現地では朝9時から夕方5時までさまざまなプログラムが開催され、その後、近くの町フラッグスタッフ近郊のローウェル天文台に舞台を移して、夜11時までイベントは続く。
科学者がどんな方法で小惑星を探しているのか、小惑星は地球にどんな影響を与えるのか、そしてアポロ計画の宇宙飛行士がバリンジャー隕石孔についてどんなことを研究し、クレーターだらけの月への宇宙飛行に備えたかなど、興味を惹かれるプログラムが盛りだくさんだ。ローウェル天文台の彗星専門家チーチェン・チャン博士による、太陽の至近を通過する公転軌道を持つ彗星「サングレーザー」についての講演もある。
「混沌の化身」が到来する
今年の国際小惑星デーに議論の俎上に上ること間違いなしの小惑星がある。米ニューヨークのエンパイアステートビルと同じくらいの大きさの小惑星「アポフィス」である。2029年4月13日に地球の静止軌道の内側を通過するとみられているが、このサイズの小惑星がここまで地球に接近するのは非常に稀だ。
宇宙系ニュースサイトSpace.comによれば、エジプト神話の闇と混沌の化身にちなんで命名されたアポフィスが地球に衝突した場合、半径数百kmにわたって壊滅的な被害が出る恐れがあり、人口の多い大都市圏に衝突すれば数百万人が死亡するという。
だが、脅威はなさそうだ。アポフィスは巨大だが、2029年に地球に衝突することはないと考えられている。それでも、地球に大接近しての通過は、人類の未来にとって極めて重要なデータを収集する千載一遇の機会となるだろう。


