2. 感情が否定されたり無視されたりするパターンに気づいた
ほとんどの人は、つながりを簡単にあきらめたりしない。話に耳を傾けて理解してもらい、相手と人生を分かち合い続けるために「最後の試み」を何度も繰り返す。説明し、冷静さを保ち、変化を求める。
だが、あらゆることを試しても取り付く島もなかったり、避けられたりした場合、意図的であろうとなかろうと「あなたの内面は2人の間では重要ではない」というメッセージを発していることは痛いほど明確だ。
このような感情の認知が徐々に減っていくことは、私たちが思っている以上に深く心をえぐる。
カップルの双方を調べた2024年の研究は「自分の感情が相手から好ましくない、あるいは受け入れられないものと見なされると、精神的苦痛が増すようだ」と指摘している。
この苦悩は、人目につかないところにきっちりとしまっておくことはできない。特に女性の場合、苦悩は恋愛関係そのものに波及し、自分の満足感だけでなく、相手の感情的なつながりの感じ方にも影響を与える。
「女性が恋愛関係において自分の感情が否定されていると感じると、精神的苦痛が増す可能性があり、その結果、男性側（パートナー側）の関係に対する全体的な満足度に影響する」と研究者らは書いている。
簡単に言えば、カップルのどちらかが感情面で安全だと感じなくなると、双方が気持ちの乖離を感じ始める。
そして、ここで見逃されがちなことがある。感情の否定は、いつも怒鳴ったり残酷な形態をとったりするわけではないということだ。それはため息や呆れ顔だったりする。パートナーが常に話題を変えたり、「いつも物事を間違った方向に捉える」と言うことも考えられる。言いくるめられたり、落ち着くように言われたり、あるいは自分の感情の真偽を勝手にチェックされたりすることもあり得る。
やがて、試みは絶望に変わり始める。相手とのつながりを求めるたびに、見返りのないリスクが生じる。そして、神経系が自己防御するようになるため、話すより黙っていた方が安全だと感じ始める。
3. 自分だけが努力することに疲れている
関係において感情面の労働を担うということは、自分から難しい会話を始め、場の空気を読み、反応を予測すること。そして相手を受け入れて耳を傾け、平和を保つことを意味する。あなたは、関係を良好に保つための非公式なプロジェクトマネジャーになる。しばらくすると、かつては気遣いのように感じていたことが、過度な世話のように感じられるようになる。
この目に見えない努力には、名前がある。専門誌『Journal of Business and Psychology（ジャーナル・オブ・ビジネス・アンド・サイコロジー）』に掲載された5部構成の研究では、人間関係を維持するための管理・認知・感情的労働を「見えない家庭の負荷」と呼んでいる。
管理・認知的な側面（アポ入れや祝うべき節目を覚えておくことなど）には良い面もあるが、家族のための感情面での負荷は、疲労や睡眠障害、家族との対立、生活満足度の低下とつながっていた。
要するに、家族のための感情的労働で気持ちがすり減るのだ。
あなたが常に緊張を和らげたり、意思疎通を円滑なものにしたり、パートナーの感情面での不在を埋め合わせたりしていると、あなたの神経系は密かに警戒状態が続く。
互いに成長を促すような絆で結ばれているはずの人間というより、物事をつなぎとめる接着剤のように感じられ始める。そして、相手とつながりたくないのではなく、自分だけが繰り返し関係に力を注ぐことに疲れ果ててしまうのだ。
一方通行の感情労働は、愛を労働に変えてしまう。報われない努力だ。だが、あなたのニーズと努力は認められ、報われるべきものだ。
