実際の効果は「まあまあ涼しい」が多数派

ハンディファンの効果について、全体の約76%(95人)が「まあまあ涼しいと感じた」と回答。一方で「とても涼しい」と感じた人は19人にとどまり、「涼しくなかった」という回答も11人あった。
そもそもハンディファンには気温を下げる機能があるわけではなく、空気を動かすことで発汗後の皮膚を一時的に冷やすだけにすぎない。特に猛暑下では、温風を顔に吹きつけてしまい、逆効果となるケースもある。
屋外だけではない「室内での快適グッズ」

もっとも多かった使用シーンは「屋外イベントでの暑さ対策(59件)」。つづいて「旅行や移動中(41件)」など、外出時の携帯用としての用途が目立った。一方で、「自宅でのリラックスタイム」「お風呂上がり」「メイク後」「テレビを見ながら」など、自宅での“ひと涼み”ツールとして活用しているユーザーの満足度は高かった。確かに灼熱の屋外での使用は熱風しか感じないが、冷房が効いた屋内で使用すると瞬時に顔周りの汗をひいていく。これは快感と言っていい。
音・風量・バッテリーには「不満」

自由記述でもっとも多かった不満点は「音の大きさ(30件)」。室内や電車、オフィスなど静かな環境では「ブーンという音が気になる」「会話を妨げる」といった声が目立った。つづいて「風量の弱さ」「バッテリー持ちの短さ」「重さ」なども指摘された。
個人的にはハンディファンには、実は不満しかない。先に書いた「屋外での使用時」では熱風しか感じられないし、バッテリーが熱を帯びることもあり、かえって暑くなることもある。また以前、ファンに髪の毛が巻き込まれ大変な思いをしたこともトラウマとなっている。ハンディゆえに、手が塞がれてしまうのも地味に不便だ。それなのに見渡せば、ほとんどの人がハンディファンを持ち歩いている。「そんなに役立つものなのか?」と不思議に思っていた。
しかし今回の調査の結果から感じたことがある。ハンディファンは冷却装置というよりも「安心を持ち歩くプロダクト」として消費されているのではないだろうか。そう捉えると多少納得がいく。酷暑の日本では「手にすることで、暑さをしのいでいる気分になる」……そんなお守り的な心理効果がハンディファンにはあるのかもしれない。


