ロサンゼルスに本拠を置くアニメ制作向けの人工知能(AI)ツールを開発するスタートアップ「Cheehoo(チーフー)」が、1000万ドル(約14億4000万円)を調達した。同社は、アニメとストーリーテリング向けの「クリエイティブエンジン」を構築し、アーティストやアニメーター、IP(知的財産権)保有者に高度なAIを活用したワークフローを提供することを目指している。
Cheehooは、映画『LEGOムービー』や『アバター 伝説の少年アン』を手掛けた制作会社のRideback(ライドバック)から誕生した企業だ。このラウンドはPoint72 Venturesが主導し、Greycroft、Basis Set、Headline Asiaなどが参加した。
Cheehooは、ハリウッドとシリコンバレーで経験を積んだメンバーによって創業された。その中には、元ドリームワークス・アニメーション社長のクリス・デファリアやアップルとスタンフォード大学のAI研究者で、ライドバックの共同CEO、マイケル・ロファソとジョナサン・アイリッチ、ライドバックの創業者であるダン・リンが含まれる。同社がまずターゲットとするのはプロのスタジオやIP保有者のほか、クローズドのパイロットプログラムに参加する一部のアーティストたちだ。
Cheehooは、アニメ作品の制作にかかる時間や手間、コストを削減するためのモジュール式のプラットフォームを構築している。ライドバックの共同CEOを務めつつCheehooの経営に携わるロファソは、このプラットフォームを「業界標準ツールであるMayaやUnreal Engineなどとの互換性を維持しつつ、AIの活用によって制作を迅速化する、柔軟で俊敏なパイプライン」と説明する。
「我々はアーティストに優れたツールを提供することで、反復作業を妨げる要因を排除し、クリエイティブな作業により多くの時間を割けるようにしている」とロファソは言う。
Cheehooは、一部のAI企業のようにウェブのスクレイピングによってトレーニングデータを収集せず、独自の3Dアセットを社内で生成する。クライアントが貢献した部分については、彼らが所有権を保持できるようにしている。このシステムは、モデルやアニメーションファイルにメタデータを付与することで、プロジェクト間でのアセットの検索や再利用、拡張を容易にしている。こうした仕組みにより、スタジオやクリエイターがプラットフォームを使って作品を生み出せば生み出すほど、さらなる自動化を促進するデータ・フライホイール(データの好循環)が形成されていくことになる。



