YouTubeのクリエイターエコシステムを築いた中心人物のジョージ・ストロンポロスとジェイミー・バーン、そして映画監督のデイブ・クラークらが設立した、動画生成AIを用いた映画スタジオ「Promise(プロミス)」は5月20日、グーグルのAI Futures Fund(AIフューチャーズファンド)から非公開の額の戦略的投資を受けたと発表した。
アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)から支援も受ける同社のシードラウンドの拡張版には、Box(ボックス)の共同創業者アーロン・レヴィなどの著名なエンジェル投資家も参加した。
「AIネイティブのストーリーテリングに特化した新たなスタジオを、ゼロから構築する」という目標を掲げるプロミスは現在、アクション系コンテンツの『NinjaPunk(ニンジャパンク)』を含む自社IPの開発を進めているほか、MUSEと名付けられた社内向けの制作パイプラインなどのインフラ構築も進めている。
グーグルの関与は出資だけにとどまらない。同社はプロミスと提携し、技術開発や早期モデルのテスト、共同マーケティング活動を行う予定だ。「プロミスは、我々が出会った中で最も先進的なスタジオの一つだ。彼らの高度な動画モデルに関する研究は、生成AIがどのように映画的ストーリーテリングを高め、新たな創造の領域を切り拓くかを示している」と、AI Futures Fundの共同創設者であるジョナサン・シルバーは話す。
ストロンポロスは、プロミスを立ち上げる以前に、ソーシャルメディアを基盤とした次世代型のスタジオFullscreen(フルスクリーン)を設立して8億5000万ドル(約1230億円)で売却していた。彼は、グーグルとの相性の良さを感じている。「ジェイミーと私は、テクノロジーと人材の両方を熟知している。だからこそ、グーグルのような真のパートナーと組むことができたのだ」と彼は言う。



