ストロンポロスとバーンは、YouTube時代から早期にデジタルネイティブなクリエイターたちに注目していた。「当時は、みんながスタジオコンテンツのライセンスを求めていたが、僕らだけが『本当に面白いのは新しいクリエイターたちだ』と主張していた」とストロンポロスは振り返る。
その視点は、現在の生成メディアへのアプローチにも生かされている。「この分野に参入している才能ある人たちの多くは趣味でやっているのではなく、本格的な映画製作を目指す人たちだ。インフルエンサーになりたいわけじゃない。だが、これまでは彼らが接続できるようなシステムが存在しなかった」
映画の新たな「黄金期」の始まり
プロミスが掲げる戦略は、自社でオリジナルIPを開発し、外部人材と共同でAIに適したプロジェクトに取り組むことだ。同社は最近、世界最大のAI映画制作スクール「Curious Refuge(キュリアスレフュージ」を傘下に収めた。同社は、170カ国以上で4000人以上のクリエイターを育成してきた実績を持ち、業界で働いているVFXアーティストや他のクリエイターたちのスキル向上に、大きな役割を果している。
一方、プロミスの共同創業者でチーフクリエイティブオフィサーのデイブ・クラークが率いるニンジャパンクの取り組みは、生成AIツールと従来のスタント振付やモーションキャプチャを融合する取り組みの一例だ。「プロンプトだけで、格闘シーンの振付はできない。だからこそ自分たちで必要なパイプラインを発明している」とストロンポロスは説明した。
この取り組みはまだ研究開発の段階にあるが、ストロンポロスによると、今年後半に初の長編映画の制作を開始する予定だという。今後のラインナップにはアニメやSF、ホラー、ファンタジー作品が含まれている。
「我々は、請負仕事をせず、オリジナルのストーリーを少人数のチームで制作している。これはインディーズ映画の再来だ。ただし、もっと優れたツールとより大きな所有権がある」とストロンポロスは語る。
彼は、AIによって映画制作が「産業型」から「職人型」へと変わると見ている。「今から3〜5年後には、これが新たな黄金時代の始まりだったことに気づくだろう。小さなチームで大胆な挑戦をする、自分の語るべきストーリーを持った人々が、その物語を語れるようになる」とストロンポロスは語った。


