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2025.07.02 09:15

飲食店でのスマホ注文、実は不満だらけという真相

Getty Images

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リーズナブルな飲食店ではテーブルのタブレットで注文するスタイルが定着したかと思えば、今ではさらにスマートフォンのアプリから注文する店が増えてきた。やっとタブレットに慣れたところなのに、と戸惑う高齢者も多い。さて一般のみなさんは、すんなり受け入れているのだろうか。

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インターネットリサーチ事業などを展開するNEXER(ネクサー)は、飲食店でスマホ注文を利用したことがある全国の男女300人を対象に、飲食店のスマホ注文に関するアンケート調査を行った。それによると、スマホと店員の両方が注文を聞いてくれる店ではどちらを選ぶかとの質問に、スマホ注文を選ぶと答えた人は16.3パーセント。店員に直接注文するという人は51.7パーセントとなった。

スマホ注文が不人気な原因は、おもに使い勝手の問題のようだ。スマホ注文で改善してほしい点を聞くと、いろいろな不満があげられた。いちばん多かったのは、メニューが見づらい、わかりにくいというもの。スマホ画面は小さいから写真も文字もボタンも小さく中高年にはつらい。また、スマホの操作に慣れていない人への配慮が不足しているという点を指摘する人も多い。さらに、店の通信状況が悪くて使えないという難点も示された。

初めての店では、まずアプリをインストールしなければならないのが煩わしい。早く冷たいビールを飲みたいのにあーだこーだと手間がかかる。そのうえ操作がわかりづらく、注文したツモリで注文確定ボタンをタップしてなかったりと、不愉快な思いをした人は多いだろう。それがこのアンケートの結果に表れている。

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そんな不人気なアプリ注文は、いずれ淘汰されるかと思ったら、じつに54.7パーセントの人たちがスマホ注文は飲食店の主流になると考えていることがわかった。日本人には、政治でもアプリの操作性でも、不条理をまるで天災であるかのように受け止め、相手に抗議するよりも順応に努める性質がある。だから、これもそんな日本人特有の「諦め」の表れかと思ったが、そうでもないらしい。

今後もスマホ注文が増えると考える人たちからの自由意見からは、人手不足だし人件費の削減にもなるので、そのほうが店員さんも楽だと思うから、などと店を思いやる気持ちが伝わってきた。なんと慈悲深い!

また、スマホ注文ならテーブル会計ができるという利点をあげる人もいた。たしかに、クーポンがもらえたり、安くなる日を教えてくれたりという特典もあるし、悪いことばかりではない。ただ、アプリの操作性の改善はメーカーにきっちりお願いしたい。できれば、気のいいAI店員くんと音声で会話ができたらいいな。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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