SMALL GIANTS

2025.07.24 17:45

つながりが生むイノベーション──「学びの場」をデザインする力

こうした場をつくることは、自分自身の学びの深まりにつながるだけでなく、同じ方向性に関心を持つ人々と自然につながることにもつながります。

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弱い紐帯が、イノベーションを運んでくる

つながりの力を考えるとき、私が大切にしているのが「弱い紐帯の理論(The Strength of Weak Ties)」です。スタンフォード大学教授の社会学者マーク・グラノヴェッターが提唱した理論で、親しい友人(強い紐帯)よりも、知人程度のつながりのほうが、新しい情報やチャンスをもたらしてくれるという考え方です。

実際、これまでの経験でも、イベントでたまたま出会った人や、SNSでつながった方との会話から、後のプロジェクトが生まれることが何度もありました。

また「六次の隔たり(Six Degrees of Separation)」という考え方もあります。知人を6人たどれば、世界中の誰とでもつながれるという仮説です。これはネットワークの可能性の広がりを象徴しています。

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自ら場を主催し、多くの“弱い紐帯”をつくっていくことが、思いもよらぬ未来を運んできてくれる。そう強く感じています。

オープンイノベーションの時代に、場づくりの価値が増す

いま、ビジネスの現場では「オープンイノベーション」という考え方が注目されています。企業や自治体、個人などが垣根を超えてつながり、新しい価値を生み出していく時代です。

社内に閉じたアイデアだけでは限界があり、外部の知識や技術、異なる視点との連携によってこそ、想定外の価値が生まれていく。

私が実践してきた学びの場づくりも、その土壌の一つです。共に学ぶことで、自然と関係性が深まり、信頼をベースとした共創の可能性がひらけていきます。

「場を持つこと」が未来をひらく

学びとは、知識を得るためだけの行為ではありません。人と出会い、語り合い、未来を共に描くためのプロセスです。

そして、ネットワークは与えられるものではなく、自ら「場を持つ」ことで、はじめて広がっていきます。

コネクティブラーニングストラテジーは、そのための一つの実践方法です。私自身、多くの実践を通じてその力を実感してきました。

「場を主催するなんて難しそう」と思う方もいるかもしれません。でも、まずは数人での読書会や勉強会から始めてみるだけでも十分です。

自ら学びの場を主催することで、学びを得てそしてつながりを広げてみてはどうでしょうか。イノベーションとは、一見関係のない者同士の新結合によって生まれるのです。多様な人々との出会いが気づきとひらめきを生み出していく。つながりは、待っているだけでは育ちません。自ら一歩踏み出してみることで、身の回りの世界は変わっていくと、私は信じています。

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