宇宙

2025.06.26 13:00

おおかみ座に「新星」出現、300万倍の増光で肉眼観測も可能 どこに見える?

おおかみ座に出現した新星「V462 Lupi」の位置を示した星図(Phantomdj, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons)

おおかみ座に出現した新星「V462 Lupi」の位置を示した星図(Phantomdj, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons)

夜空に新しい星が出現し、急速に明るさを増している。「V462 Lupi」と呼ばれているこの新星は現在、通常時の330万倍の輝きを放ち、北緯40度付近より南の地域からなら肉眼でも見える。

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新星が見つかったのは6月12日。米オハイオ州立大学が運営する世界各地の20台のロボット望遠鏡を用いた観測ネットワーク「ASAS-SN:All-Sky Automated Survey for Supernovae(超新星全天自動サーベイ)」によって発見された。

V462 Lupiは、発見から20日間で約16倍に増光した。発見当初の明るさは8.7等級で、肉眼で見るには暗すぎたが、その後急激に輝きを増し、肉眼でもぎりぎり確認できる5.7等まで明るくなった。通常の明るさは22.3等しかない。

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アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)のデータに基づく、おおかみ座の新星「V462 Lupi」の光度高度曲線(PopePompus, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)
アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)のデータに基づく、おおかみ座の新星「V462 Lupi」の光度曲線(PopePompus, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

この星の増光は今回初めて観測された現象なため、いつまで見えるかは不明だ。数日で通常の薄暗さに戻ってしまうかもしれないし、数カ月間にわたり輝き続ける可能性もある。

V462 Lupiは、さそり座とケンタウルス座に挟まれた南天の星座、おおかみ座にある。太陽系からどの程度の距離にあるかはわかっていない。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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