「私は(ノーベル平和賞を)4回か5回もらっていてもおかしくない。(中略)でも彼らはリベラル派にしか与えないんだ」とトランプは20日に記者団にぶちまけた。過去にノーベル平和賞を受賞した米大統領4人のうち、3人は民主党員だった。
トランプは自身がノーベル平和賞にふさわしいと主張する際、みずからが仲介したとする国家間合意をいくつか引き合いに出している。2020年にイスラエルと一部のアラブ諸国との間で結ばれた「アブラハム合意」はそのひとつで、これはトランプの大統領1期目に米国が交渉を後押しした。
トランプは5月にインドとパキスタンの危機を終わらせた合意も自身の手柄に挙げているが、インドのナレンドラ・モディ首相はトランプの関与を否定している。
トランプはトゥルース・ソーシャルへの20日の投稿で、コンゴ民主共和国とルワンダの和平協定も仲介したと主張し、「私が何をしてもノーベル平和賞はもらえそうにない」と嘆いている。
ウクライナの議員は推薦を取り下げ
トランプをノーベル平和賞に推薦したカーターは上院選への出馬を表明しており、トランプからの支持は当選のチャンスを高めるかもしれない。これに先立ってパキスタンも、インドとの紛争の沈静化に貢献したとしてトランプを2026年のノーベル平和賞に推薦している。
一方、トランプを昨年時点でノーベル平和賞に推薦していたウクライナのオレクサンドル・メレジュコ最高会議(国会)議員は今週、推薦を取り下げた。英紙テレグラフによれば、推薦はトランプにロシアとウクライナの和平協定の仲介を促すことになると考えてのことだったが、トランプがロシアとウクライナの戦争に傾注せず、関心が中東に移っているとみられることから撤回したという。
トランプは2018年、2020年、2021年のノーベル平和賞にも推薦されていた。理由は北朝鮮と韓国の和平合意の仲介努力、セルビアとコソボの経済合意に向けた交渉で果たした役割などだった。


