NASAのジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)は、宇宙最初期の銀河の形成と集合に関する天文学者の知識の大半に、一気に革命的変化をもたらしている。JWSTは銀河形成のテープを巻き戻しただけでなく、JWSTが見ている宇宙誕生のビッグバンからわずか3億年後の宇宙の姿を説明するには天文学者が現在用いているモデルをアップデートする必要があると、主流派の観測天文学者にさえもそう認識させているのだ。
初期宇宙では物質がどのようにして集合するかや、銀河がどのようにして星を形成しているかなどの疑問に答えるには、近傍宇宙に適合するように開発されたモデルを、遠方宇宙に合うように更新しなければならないことは明白だと、英オックスフォード大学の博士課程修了研究者(天体物理学)のアレックス・キャメロンは、自身の研究室で応じた取材で語った。
キャメロンによると、恒星がどのように形成され、進化するかの物理的過程は非常に複雑で、モデルには大きな不確定性がある。そのため、宇宙の年齢や銀河が何歳でなければならないかなどを問い始めるには、まず恒星自体に関する理解をさらに調整し直すための研究を重ねる必要があるという。
理論の食い違い
オックスフォード大教授(天体物理学)のアンディー・バンカーは、最も遠方にある銀河の記録更新に成功したことは、宇宙の歴史の非常に早い段階で銀河形成が始まっていたことを示唆していると、取材に応じた電子メールで述べている。バンカーによると、最遠の銀河に炭素や酸素などの重元素が存在する証拠が見つかったという事実は、前世代の恒星がすでに形成されていて、宇宙の「夜明け(初代星が形成され、その集まりの初代銀河ができ、それらが発する光で宇宙が明るくなり始めた時代)」が来たのがはるかに早かったことを意味する。
初期宇宙には、明るい銀河が至る所に存在しているように見える。
キャメロンによると、どこを見ても多数の明るい銀河が見つかる。難題となるのは、銀河が明るいのは内部に多数の恒星があるからなのか、もしくは形成された恒星が現在の典型的な恒星よりも明るいからなのかを区別することだという。非常に初期の恒星の特性については、観測で得られる痕跡から判断すると、まだ解明されていないことがたくさんあることがわかると、キャメロンは指摘する。



