タイムボクシング成功のカギは、自分への思いやり
拙著『Timebox: Time Management Strategies to Balance Productivity & Wellbeing(タイムボックス:生産性とウェルビーイングのバランスを取るためのタイムマネジメント戦略:未邦訳)』で私が強く訴えているのは、タイムボクシングは、仕事をより多くこなすためではなく、真に重要なことに集中するための手法だということだ。また、明確さとセルフケアの重要性にも焦点を当てている。目指すべきは、すべての時間を無駄なく仕事に注ぎ込むことではない。生産性とウェルビーイングのバランスを図ることだ。
時間を効果的に管理するというのは、単にテクニックやツールを活用するだけでなく、仕事という外的な責任と、自分の内的な感情を調和させることだ。バランスを優先し、セルフトーク(自分自身への語り掛け)を意識すれば、時間の管理は、時間との闘いではなく、自分自身と協力し合うひと時へと変化するだろう。
仕事に遅れが生じているときは?
仕事に遅れが生じていると気付いたときは、「自分は計画性がない」と思わないようにしよう。その代わりに、「自分は、持てる時間で全力を尽くした。今後は何をどう改善すればいいだろう?」と自分自身に問いかけよう。自分がどれほどの成果を上げてきたのかを思い出そう。
仕事が多すぎてどうしようもないときは?
仕事が多すぎてどうしようもなくなったときは、自分にこう問いかけよう。「今日できるひとつの作業は何か。あとは明日に回せばいい」と。セルフ・コンパッションとは、自分を甘やかすのではなく、タスクを意識的に今後のスケジュールに組み込むということだ。
自分にとって重要な仕事を済ませ、充実感を覚えながら1日を終える
忘れないでほしい。時間管理とは、計画した仕事を、毎日ひとつ残らずこなすことではない。自分にとって重要な仕事を済ませ、充実感を覚えながら1日を終えることだ。
やることが多くて気が遠くなる、疲れ切っている、ひたすら反応するだけの日々を送っている――。そんな状態なら、タイムボクシングを試してみるべき絶好のタイミングかもしれない。あなたの周囲で働く人たちの58%は、もうすでに取り入れている。


