AIを使う利点は生産性だけではない。それは可能性だ。より目的意識をもって働き、AIに適切な仕事を任せることで、深く集中するための時間や完全なオフ時間を取り戻す機会を得られる。
しかし、これは私たちが1日のリズムについて再考する意思がある場合にのみ機能する。いつでも仕事モードに入れる態勢とはさよならしなければならない。集中するときとしないときのメリハリをつけるのだ。
幸い、フレキシブルな働き方はすでに選べる。ツールも揃っている。欠けているのは、その両方を最大限に活用するためのリズムだ。集中、回復、有意義な貢献を可能にするリズムである。そのリズムは会社の方針によって生まれるものではない。労働者自身がつくり出すものだ。いつ仕事に集中し、何を優先するのか、最も重要なタスクに取り組む時間をどうやって確保するのかといった、私たちの選択から始まる。
労働者がすべてをコントロールすることはできなくとも、自分に何が必要なのかに気づき、それを守るためにオンとオフの境界線を引き、仕事を切り上げるべきタイミングを把握することはできる。その結果、仕事に没頭して最高の集中力を発揮できる「ディープワーク」の時間を確保できるかもしれない。雑務はAIに任せ、時間ができたからといって自分で処理する量を増やしてはならない。生産性を、そこに費やした時間ではなく、エネルギーの使い方で再定義するのだ。
これを職場のみんながともに、チーム内の合意に基づき、期待を共有し、互いの時間を尊重して実行するとき、フレキシブルな働き方はプレッシャーから可能性に変わる。それには個人が変わる以上に、規範や慣習の共有が必要だ。カンボンはこう強調する。「私たちはできるだけ多くの働き方を受け入れなければならない。そうすることで、人々が仕事のパターンを確立し、それを他の人たちの仕事のやり方とうまく連携させることが可能だと信じられるようになる」
これからの仕事は、テクノロジーによって形づくられるだろう。しかし、それを真に人の役に立てるためには、人が仕事のあり方を定義する必要がある。


