働き方

2025.06.22 08:00

「フレキシブルな働き方」の真実、終わりのない労働時間から解放されるためには

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仕事のテンポは高まる一方

問題をさらに難しくしているのは、ただ仕事時間が長くなっているだけではなく、仕事のペースが速くなっている点だ。1日はメールチェックで始まるが、朝8時にはリアルタイムチャットが立ち上がり、やりとりのテンポが加速する。マイクロソフトの調査によると昨今の労働者は、1日平均で117通のメールと153件のTeamsチャットを受信しているという。一斉送信のメッセージが増加傾向にあり、1対1のスレッドは減少している。

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フレキシブルな働き方により、職場のチームメンバーが同じ時間帯で働かなくてもよい非同期型の業務形態が導入された。しかし、互いに何を期待するかを明確にしなければ、即時対応の職場文化が生まれてしまう。誰もが自分のスケジュールで仕事をしていながら、なぜか他の全員にはすぐさま対応することを期待している。

私たちは長時間働いているだけでなく、常に仕事を中断されながら働いているのである。

注意散漫のスパイラル

いつしか私たちは、注意力を維持する方法を忘れてしまった。というのも、もしフレキシブルな働き方が当初考えられたとおりに機能していたならば、私たちは最も頭が冴えている時間帯に、最も頭を使う仕事をしているはずだからだ。しかし、データには異なる結果が示されている。午前11時、脳の働きがピークを迎えるはずの時間帯に、会議、メッセージ、アプリの切り替えが急増する。仕事は2分ごとに中断される。

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知らず知らずのうちに私たちは、最も生産的な時間を受け身の調整作業に費やしてしまっているのだ。集中力がなくなったわけではない。あらゆるタスクに即応を求められる職場文化に追いやられてしまっただけだ。

そして、会議のやり方ほどその職場文化が浮き彫りになるものはない。コロナ禍以前から、会議は組織にとって頭痛の種だった。当時はカレンダーと会議室の空き状況に予定が振り回されていた。デジタルツールによってこうした制限は取り払われたが、こんどは誰もが会議への出席を求められ、しかも日程の余裕は以前よりなくなっている。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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