ヘルスケア

2025.06.24 14:15

秒でストレス50%減、「UCLA准教授式・75の方法」から今夜試すべき一手

ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳『瞬間ストレスリセット——科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ダイヤモンド社刊)

以下、本書から「ボディ・スキャン」について解説している箇所を抜粋して紹介する。

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呼吸と身体の感覚に意識を向けるテクニック

寝る前に気持ちが落ち着かない、夜中に目が覚めて何度も寝返りをうちながら、「今すぐ寝ないと明日はひどい1日になる」と苦悩しているとき。または、痛みや悩み(体重や体型へのネガティブな感情など)から注意をそらすために試してもよい。

ここで紹介する 「ボディ・スキャン」 は自分の身体に対する認識を広げてくれる。
心を落ち着けて入眠を促すリセットなので、そのあと起き上がって行動しなければいけない場合には勧めない。

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1 . 仰向けになり、呼吸と身体の感覚に注意を向ける。そして身体がベッド、あるいは床に触れている部分に意識を向け、息を吐くたびに身体が深く沈むイメージをする。眠らなければと思うのではなく、意識に集中する。「今この瞬間を感じる」以外に何かしようと思わなくていい。 

2 . 呼吸に集中すると、自然にお腹が上がったり下がったりする。呼吸を続けながら、息を吸うとお腹がどんなふうに膨らみ、へこむかに注目する。 

3. 意識を左足に移し、つま先まで下ろす。足の指1本1本の感覚にフォーカスし、どんな感覚があるのかを判断せずに、ただ感じとる。吸った息を左足のつま先まで届けるイメージで。 

4. 左足の裏とかかとに意識を移動させ、そこの感覚に注意を向ける。とくにかかとがベッドか床に触れている部分に。足に集中しながら呼吸も意識し続ける。 

5 足から頭に向かってゆっくり意識を移動させながら、同じことを繰り返す。
各部分に少しずつ時間をかけて(左足首、左すね、左膝、左腿、右のつま先、右足の裏、足首、右すね、右膝、右腿、骨盤、お尻、腰、お腹、背中、胸、肩)。
そして手に移動する(両手同時でよい)。指から始めて、手の平、手の甲、手首、前腕とひじ、上腕、もう一度肩、脇の下、首、顔(顎、口、唇、鼻、頬、耳、目、額)、最後に後頭部。もし途中で意識がそれてしまったら、(それが普通だが)、それに気づくようにし、意識がそれたことを悪いとは思わずに注意を戻す。

ボディ・スキャンは漸進的筋弛緩法に似ているが、身体に力を入れたくない場合に適した方法で、全身にやさしく注意を向けられる。


この練習を続けることで、自分の健康状態に感謝し、非現実的な目標(秒で眠りにつくなど)を手放すことができる。

ここに挙げたものは著者、タイツ博士が提唱する75の方法のほんの1つにすぎない。書店でこの表紙を見かけたら、立ち読みででも、他の方法をチェックしていただきたいと思う。「自分に合う一手」がきっと見つかるはずだ。

あ
『瞬間ストレスリセット——科学的に「脳がラクになる」75の方法』(ジェニファー・L・タイツ著、久山葉子訳、ダイヤモンド社刊)

 久山葉子(くやま・ようこ)◎スウェーデン語文学翻訳者、エッセイスト。 高校時代に1年間AFSでスウェーデンに留学。東京のスウェーデン大使館商務部勤務を経て、2010年に日本人家族3人でスウェーデンに移住。現地の高校で日本語を12年間教えた。著書に『スウェーデンの保育園に待機児童はいない』、訳書に『スマホ脳』『多動脳』『サルと哲学者』『メンタル脳』『最適脳』『にゃんこパワー』など多数 。また、スウェーデンの高校で11年日本語を教えながら、ストックホルム大学ですでに教師として勤務している人向けの教職取得コースに通った。

文=久山葉子 編集=石井節子

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