米アマゾンは6月14日、クラウドコンピューティングや人工知能(AI)向け需要の高まりを背景に、2029年までの5年間に、200億豪ドル(約1.9兆円。1豪ドル=94円換算)をオーストラリアにおけるデータセンター建設に投資すると発表した。
アマゾンによるとこの投資は、過去最大規模のグローバルなテクノロジー企業によるオーストラリアへの投資で、AI導入の加速や生産性向上と共に、ITインフラの近代化促進につながるという。
オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は声明で「この投資は、高度なスキルを持つ人材の雇用や、AIやスーパーコンピューティングなどのインフラの整備を通じて、オーストラリア国民に経済的機会をもたらすことになる」と述べた。オーストラリア産業科学資源省は、AIと自動化が2030年までに年間最大6000億豪ドル(約56.4兆円)を同国の国内総生産(GDP)にもたらす可能性があると試算している。
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のマット・ガーマンCEOは「AIは一世代に一度の変革であり、当社はこの投資を通じて、オーストラリア国民が大規模なイノベーションを実現できるよう支援していく」と声明で述べている。
拡張されたクラウドインフラの電力需要を支えるため、アマゾンはビクトリア州とクイーンズランド州に新たに3カ所の太陽光発電所を建設する計画で、これによりデータセンター向けに170メガワット超の電力を供給できるようになる。アマゾンによれば、このプロジェクトが完成すれば、同社がオーストラリア全土で運営する太陽光発電所は合計11カ所となり、年間合計で140万メガワット時の電力量を発電できる体制となる。これは、オーストラリアの約29万世帯が1年間に消費する電力量に相当するという。
アマゾンは2012年に、シドニーにAWSの拠点を開設してオーストラリアに初進出した。同社はその後、メルボルンやパース、シドニーに複数の新施設を建設した。これまでにアマゾンは、オーストラリア国内の40万人以上に対して、生成AIプログラムを支えるためのデジタルスキルのトレーニングを実施している。



