ロボット革命は、誰に尋ねるかによって評価が分かれるものの、極めて速いペースで進行している。これは単に安定したヒューマノイドを設計し、人間の器用さを模倣する段階的な進歩を追求するだけの話ではない。多くの人が想像もしない用途が、四足歩行ロボット(犬型ロボット)をはじめ、さまざまな形で実現しつつある。
Boston Dynamicsを追う新興勢力、Unitreeの台頭
私は身近な米国のBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)に注目してきたが、世界の別の地域では中国のUnitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス。宇樹科技)という新興勢力が台頭している。同社の四足歩行ロボットはすでに市場に出回っており、このことが何を意味するのかを真剣に考える必要がある。
Unitreeロボットの普及と潜在的リスク
これら最新ロボットの価格を調べると、たとえば特定モデルのUnitree製ロボットをLLM(大規模言語モデル)で動作させる場合、約1万6000ドル(約230万円。1ドル=144円換算)かかることがわかる。
ChatGPTによれば、これらロボットの三大用途は「学術研究」「インフラ管理」「物理的現場の警備」である。実際、多くのユーザーがUnitreeロボットを警備員や見張り番のように導入しており、かつて番犬を飼っていたのと似た感覚で運用している。
しかし、こうした「警備員」を個人や企業が手軽に購入できるようになったこと自体がゲームチェンジャーだ。火炎放射器を装備したUnitreeロボットの販売ページを一度でも見れば、このトレンドがいかに過激で危険になりえるかが理解できる。



